最近、物価高で流通業界全般が低迷している中、韓国のデパート業界は過去最大の売上を達成した。昨年「売上1兆ウォンクラブ」に加入したデパート数は歴代最多を記録し、韓国初の「年間売上3兆ウォンデパート」も誕生した。デパートだけのユニークなコンテンツが売上を牽引したと分析される。
業界は22日、昨年、売上1兆ウォンを達成したデパートは計12店で、前年より1店増えた。年間売上1兆ウォン以上のデパート12ヵ所のうち、新世界(シンセゲ)デパートと現代(ヒョンデ)デパートがそれぞれ4店、ロッテデパートが3店、ギャラリアデパートが1店を占めた。
特に、新世界江南(カンナム)店は、韓国の国内デパートでは初めて売上3兆ウォンを突破した。単一店舗の売上高が3兆ウォンを超えるデパートは、世界的にも英国のハロッズ・ロンドン(2022年約3兆6400億ウォン)、日本の伊勢丹新宿店(2022年約3兆1600億ウォン)の2ヵ所に過ぎない。
ロッテ蚕室(チャムシル)店に続き新世界センタムシティ店とロッテ本店も昨年売上2兆ウォンを越え「2兆ウォン以上単一店舗」も2022年2ヶ所から4ヶ所まで増えた。
景気鈍化にもかかわらず、デパートが高い売上を達成したのにはコンテンツの力が大きかった。1兆クラブに含まれたデパートは全て昨年、飲食品(F&B)とポップアップ空間のリニューアルなど「体験型コンテンツ」の強化に積極的に投資したところだ。
特に現代デパートの場合、年間売上1兆以上を達成したデパート4ヵ所のうち3ヵ所が客単価が高い3大名品ブランド(エルメス・ルイヴィトン・シャネル)が入店していない。店舗別ターゲット層に合うコンテンツを披露したのが売上につながったという評価だ。
年間売り上げ3兆ウォンを記録した新世界デパート江南(カンナム)店も昨年、2009年以来15年ぶりに食品売り場をリニューアルし、集客効果を十分に得た。代表的には国内最大規模のデザート専門館「スイートパーク」がある。スイートパークはオープン初週末だけで訪問客10万人が集まった。
業界では今年も売上1兆ウォンを達成するデパート数が増えると予想している。昨年、新世界アート&サイエンス(9460億ウォン)と新世界光州(8230億ウォン)などは惜しくも1兆ウォン達成ができなかった。
ある流通業界の関係者は「今やデパートは単純にショッピングのために来る空間ではなく、食事と文化、コンテンツなどを楽しめる空間に変貌している」として「コンテンツ能力を備えた大型店舗は継続成長し、そうでないところは売上が下落を続け、デパート業界の二極化が加速化するだろう」と見通した。
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