憲法裁、裁判官全員一致で尹大統領を罷免

憲法裁判所が12・3非常戒厳を宣言し、国会から弾劾訴追された尹錫悦大統領を裁判官全員一致の意見で罷免した。 

4日午前11時、ソウル鍾路区（チョンノグ）の憲法裁判所で開かれた尹大統領の弾劾審判の判決で、裁判官らは、尹大統領の非常戒厳宣言が憲法と法律に重大に違反したと認め、裁判官全員一致の意見で尹大統領を罷免した。

ムン・ヒョンベ憲法裁判所長官権限代行は同日、宣告要旨から朗読し、尹大統領が憲法と法律に重大な違反をしたと指摘した。

裁判官らは、尹大統領が非常戒厳を宣言した昨年12月3日、国家非常事態ではなかったにもかかわらず憲法上の要件に反して不法に戒厳を宣言したと見た。

「警告性・要請用の戒厳」だったという尹大統領側の主張に対しても、ムン権限代行は「戒厳法が定めた戒厳の目的ではない」と指摘し、被請求人（尹大統領）の主張を受け入れなかった。

また、尹大統領の指示で戒厳軍が国会議事堂に投入し、本会議場に集まった議員を引き出して戒厳解除の議決を妨害しようとしたという疑惑、国軍防諜司令部を通じて主要政治家・法曹人などを逮捕するよう指示したという弾劾訴追の理由も認めた。

さらに、弾劾審判の過程で、尹大統領側が信憑性に問題があると攻撃したホン・ジャンウォン元国家情報院（国情院）第1次長、クァク・ジョングン元陸軍特殊戦司令官の供述もすべて事実と認めた。 

また、憲法裁は、尹大統領側が提起した「内乱罪撤回」論議についても、「弾劾訴追事由の変更とは見られない」とし、国会の弾劾訴追が手続き的に適法だと認めた。

この日の宣告で反対意見を残した裁判官はおらず、一部の裁判官が結論には同意し、細部争点に対してのみ別の意見を付け加えた。

ムン権限代行は宣告文の最後に、「被請求人（尹大統領）は治安部隊を動員して国会など憲法機関を傷つけ、国民の基本的人権を侵害して憲法守護の義務を破った」とし、「被請求人を罷免することで得る憲法守護利益が罷免にともなう国家的損失を圧倒するほど大きい」と述べた。

さらに11時22分頃、時間を確認した後、「被請求の尹錫悦大統領を罷免する」と述べ、宣告を終えた。罷免の効力は直ちに発生し、これを基点に尹大統領は大統領の職位を失った。

尹大統領の罷免は、12・3非常戒厳を宣言した時から122日ぶり、昨年12月14日に弾劾訴追案が受け付けられた時から111日ぶりに行われた。