2026. 10. 30 (金)

日銀・上田総裁「物価2%は勝利宣言ではない」金利引き上げ基調を再確認

  • 12月も含め「毎回の会議で判断」

  • 日経平均2.1%下落…AI・半導体株の弱含み

上田和夫日本銀行BOJ総裁写真ロイター共同通信
上田和夫日本銀行(BOJ)総裁[写真=ロイター共同通信]


上田和夫日本銀行総裁は30日、基準金利を据え置く一方で、依然として物価上昇圧力があるとし、金利引き上げ基調を続ける意向を示した。

上田総裁はこの日、金融政策決定会議後の記者会見で、基調的物価上昇率が2%目標に概ね合致する水準になったとしつつも、「2%が持続的・安定的に実現されることが重要であり、まだそこには至っていない」と述べた。続けて物価目標達成に関して「勝利宣言を出すものではない」とし、「(2%物価が)定着するよう金融政策を調整していく」と付け加えた。物価が安定化するよう金利引き上げ基調を続ける意向を示したものである。

上田総裁は現在の金融環境が「緩和的」であるとし、「政策の局面が変わっていることを念頭に置き、毎回の会議で経済・物価・金融情勢を十分に分析して議論する」と述べた。ただし、12月の会議での引き上げの可能性については「次回を含め、毎回の会議で判断していく」とし、明言を避けた。

特に上田総裁は企業が賃金と価格の引き上げに積極的に取り組んでいるとし、「基調的物価上昇率が2%を超えて上方に動くリスクがあることに十分留意すべきだ」と強調した。

基調物価の判断については「経済指標の動きとその背景の経済・物価情勢を基に、政策委員9名全員の判断が一致した」と説明した。金利据え置きに反対した高田はじめ委員もこの判断には賛同した形である。上田総裁は2%に達した背景として、大規模金融緩和の効果、世界的なインフレ、人手不足による企業の賃金・価格引き上げの広がりを挙げた。今後は中長期的な期待インフレが2%程度で安定するかを「重要視する」と述べた。

2013年に始まった大規模金融緩和については「ある程度の効果はあった」としつつも、当時掲げた2年以内に2%を達成するほどの「強い効果は発揮できなかった」と評価した。

読売新聞によると、日本銀行は9月の会議で基調物価が目標水準に達する時期を2026年度後半から2027年度と予想していたが、今回すでにその水準に合致すると評価した。

上田総裁はデフレーション(景気後退に伴う物価下落)脱却宣言については政府が判断する事案であるとした。また、2%目標を含む2013年の政府・日本銀行共同声明の見直し可能性については「言及を控えたい」と答えた。

この日、日本銀行は金融政策決定会議で政策金利を年1.25%に据え置くことを決定した。上田総裁は9月の金利引き上げが経済と物価に与える影響を「もう少し見守る必要がある」として据え置きの理由を説明した。高田委員は基調物価が目標に達したため、中立金利に近づく速度を高める新たな局面に入ったとし、1.5%に引き上げることを提案したが、否決された。

また、日本銀行はこの日、保有する上場投資信託(ETF)の年間売却規模を帳簿価格ベースで3300億円から8600億円に増やすことを決定した。2027年1月から適用され、すべてを売却するのにかかる期間は約112年から約43年に短縮される。上田総裁は売却を決定した1年前より株価が上昇し、取引高も急増したことを理由に挙げた。従来の基準では売却があまり進展しなかったとの説明である。市場に与える影響は「限定的であると判断した」と述べた。

日経によると、大和証券の細井秀司チーフストラテジストは年間8600億円程度であれば株式需給を過度に懸念する必要はないと評価した。ただし、元日本銀行政策委員の木内隆英野村総合研究所エグゼクティブエコノミストは「まだ市場での占有率が小さいため(日本銀行が)売却速度を数段階高める可能性がある」と予想した。





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