2026. 07. 30 (木)

イラン、反撃から先制攻撃へ転換

27日現地時間、イランの首都テヘランに設置されたドナルド・トランプ米大統領を揶揄する広告板の写真
27日(現地時間)イランの首都テヘランに設置されたドナルド・トランプ米大統領を揶揄する広告板[写真=EPA・聯合ニュース]


これまで反撃に専念していたイランが、先制攻撃を実行した。イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)は、29日(現地時間)に中東内の米軍基地を標的に多数の弾道ミサイルを発射し、奇襲攻撃を行ったと発表した。

これまで、米国やイスラエルが先制攻撃を行うと、イランはそれに対する報復として反撃を行う形が一般的であった。しかし今回は、米国やイスラエルの攻撃がない中で、イランが予想外にも先に米軍基地に攻撃を仕掛けた。

米軍当局によれば、発射されたミサイルはすべて迎撃された。これまでの攻撃はほとんど成功を収めていたが、今回はすべて失敗に終わった。イランが意図的に旧型のミサイルを使用した可能性も指摘されている。イラン側としては、戦況を拡大せずにいつでも先に攻撃できるというシグナルを送った形である。

それでも、今回の攻撃はイランがこれまで維持してきた「防御的報復」という戦略的枠組みを自ら破ったものであり、いつでも先に攻撃に出られることを実証したという点で象徴的な意味を持つ。

このため、これまで一方的に先制攻撃を行っていた米国とイスラエルの計算も複雑になる見込みである。実際、今回の攻撃は、同日にドナルド・トランプ米大統領とベンヤミン・ネタニヤフ首相の首脳会談直後に行われた。両首脳はイランの核武装阻止という共通の目標に意見を一致させ、トランプ大統領は合意が失敗した場合、再び軍事行動に出る可能性があると述べた。イスラエルと米国の緊密な関係が強化される流れの中で、イランが送った警告信号と解釈されており、米国に新たな軍事作戦を行わないようにとのメッセージが含まれているとの分析が出ている。

実際、イランのこのような変化は今回が初めてではない。イランは今月初めにもホルムズ海峡近くでカタール籍の船舶を含む油槽船3隻を攻撃した。トランプ大統領がNATO首脳会議出席のためトルコに出発する直前であり、その際にも米国やイスラエルの直接的な先制攻撃はなかった。むしろアヤトラ・アリー・ハメネイ前最高指導者の葬儀後、米国とイラン間での後続交渉の議論が行われていた時期であった。また、イランはこの日もホルムズ海峡を通航していた油槽船3隻が「不法通路」を利用したとし、攻撃して運航を中止させたと発表した。結局、中東内の米軍基地攻撃は突発的な逸脱ではなく、外交日程に合わせて事前に動くイランの行動パターンが蓄積された結果である。

イランの対応がこのように変わった背景には、行き詰まった交渉がある。米国とイランは先月、敵対行為の中止に合意したが、ホルムズ海峡の制御権とイランの核開発という核心問題で意見が一致しなかった。イランは制御権と核開発を手放そうとせず、米国は海峡の再開放と核開発の廃棄を主張している。このような中で、トランプ大統領が特に効果的な手段を提示できず、行動の幅が狭まっている一方で、イランはこの機会を積極的に活用している。

その中で、最近イランの代理勢力も積極的に攻勢に出ている。イエメンのフーシ派はサウジの油槽船封鎖を宣言した後、紅海で船舶を攻撃し、イラク内の親イラン武装勢力は米軍とサウジのエネルギー施設を狙った攻撃を試みた。イランを中心とした「抵抗の軸」が全体として先制的に再編成されていることを示している。

イランの戦争が始まってから5ヶ月、戦線はイランと湾岸地域を越えてイエメン、サウジ、イラク、紅海、カスピ海まで拡大した。このような状況での今回の先制攻撃は単なる武力示威ではなく、戦争の主導権をイランが握るという宣言に近い。

トランプ大統領はこれまで強者に弱く、弱者に強い「強弱弱強」式の外交を展開してきた。反撃一辺倒だったイランが攻勢に転じた。今後、トランプ大統領がどのように対応するかが、今後の交渉の鍵を握ると見込まれる。





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