韓国の公共放送局であるKBS(韓国放送公社)が、ソウル都心の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾賛成集会と反対集会の画面を逆に編集したまま字幕をつけて放送した事実を認め、夜のメインニュースの生放送中に謝罪した。KBS側は経緯を把握し、関係者に厳重な措置を取り、再発防止対策を講じるとも報じた。
12日、KBS「ニュース9」では「昨日(11日)『ソウル都心弾劾賛否集会』を伝えたKBS 5時のニュース画面」とし、2つの画面を上下に構成して提示した。続けて「弾劾反対集会状況を伝える内容に『弾劾賛成集会』画面が誤って出て、弾劾賛成集会状況を伝える部分には『弾劾反対集会』画面が誤って放送された」と明らかにした後、正した画面を再び見せた。
さらに「放送事故調査委員会を設けて詳しい経緯を把握し、関連者に対する厳重な措置を取る」としたうえで「視聴者の皆様に謝罪申し上げる」と明らかにした。この日の弾劾反対集会には主催側推算、およそ300万人が参加した。現在、問題になった該当ニュースの映像はユーチューブで削除された状態だ。
これに先立ち、与党「国民の力」のメディア特別委員会は同日午後、声明を出し、「昨日(12日)、KBS『ニュース5』の弾劾賛否集会の報道は奇怪な編集で、弾劾賛成集会がより(人が)多く見えるようにした」とし、「弾劾賛成集会の場面と弾劾反対集会の場面を変えて字幕をつけて報道した」と批判した。
また「その結果、弾劾賛成集会の写真は人が多いように見せかけ、弾劾反対集会は閑散と見えるように構成された」と強調し、「これは明白な放送審議規定第9条(公正性)、第14条(客観性)違反だ。直ちに放送通信審議委員会に異議を申し立てる方針だ」と明らかにした。
このような弾劾賛成と弾劾反対集会の歪曲された報道は今回だけではない。
YTNも今月2日、ある女性記者が弾劾反対集会の前で弾劾賛成の集会であるように偽りの報道をし、尹大統領支持者らが抗議した。
この日、漢南洞(ハンナムドン)の尹大統領官邸前で繰り広げられた弾劾反対集会の前でニュースを伝えていたシン某記者は、1万人以上が集まっている弾劾反対集会の前で、まるで弾劾を支持する集会に多くの人々が集まっているように報道した。これを聞いていた市民たちが「なぜ偽ニュースを作るのか?ここは弾劾反対集会なのに、なぜ弾劾集会と言うのか?向こう側にある弾劾に賛成する人は15人しかいないのに、なぜそのような発言をするのか」と問い詰めた。
現場にいた市民たちが激しく抗議すると、YTN取材陣は何も言わずに慌てて席を立った。
[動画=ユーチューブ(Media F)]
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