SKグループの未来成長動力の一つであるガラス基板(Glass Substrate)事業が今年本格的に軌道に乗る。 SKCの子会社であるアブソリックス(Absolics)が今年量産するガラス基板はすでに完売し、グローバル大型ファブレス(半導体設計士)とハイパースケール(超大型)サーバー業者から関連注文が殺到している。 人工知能(AI)チップの生産量拡大に困難を経験しているNVIDIAも代案としてSKのガラス基板導入する可能性が高くなった。
8日(現地時間)、米ラスベガスで開かれたCES 2025の現場で、SKグループの崔泰源(チェ·テウォン)会長がSKグループのブースを見回っていたところ、SKC・アブソリックスのガラス基板を手に取り、“さっき売ってきた”と笑いながら話した。 SKグループレベルでガラス基板にかける期待が大きいことを直接示唆したのだ。
崔会長がどの企業にガラス基板を販売したかは公開されなかった。 しかし、彼が同日午前、NVIDIAのジェンスン·フアン最高経営者(CEO)と会合したことを考慮すれば、NVIDIAにガラス基板を供給したものと分析される。
ガラス基板は、従来のプラスチック基板(PCB)に代わるものと期待される「夢の半導体」素材だ。 ガラス基板が注目される最も大きな理由は処理装置·メモリーなど性質が異なる2つ以上の半導体を一つのチップに合わせる半導体パッケージング過程で、中間基板である「シリコンインターポーザ」を省略できるためだ。 熱の排出もPCBより優秀で、微細工程の限界にぶつかった半導体性能(集積度)を上げるのにも適している。
このような理由で台湾TSMCの半導体パッケージング工程である「CoWoS」の生産能力限界で、自社AI·モバイルチップ生産量拡大に困難を経験しているNVIDIAとアップルがガラス基板に多くの関心を持っていることが分かった。
この日、アブソリックスのキム·ソンジン最高技術責任者(CTO)はCES 2025現場講演を通じ、“現在、ガラス基板の本格的な供給に先立ち、顧客と品質検証を進行中”とし、“(サーバー用処理装置ダイサイズを基準に)月4000つのガラス基板を作れる生産能力(キャパ)を確保した”と明らかにした。
それと共に、“すでに顧客需要がアブソリックスの生産能力を越えた状況であるだけに、生産能力を拡大するための投資を持続する計画”と付け加えた。
半導体業界によると、アブソリックスのガラス基板は現在、世界最大級規模の通信装備業者を筆頭に、グローバルファブレスやサーバー業者などがサンプル供給を要請した状況だ。 自主的にガラス基板の生産を図っているインテルを除いた全てのグローバル半導体メーカーがアブソリックスの潜在的な顧客会社だというのがSKC側の説明だ。 これにはNVIDIA、ブロードコム、AMDなどが含まれる。
もしNVIDIAとアップルがガラス基板を採択する場合、CoWoS競争力で高価のAI·モバイルチップ生産市場を独占していたTSMCファウンドリ体制にもひびが入るものと期待される。
アブソリックスは現在、需要が多いサーバー用ダイサイズを基準にガラス基板を量産している。 今後、生産工程が安定化すれば、モバイル用ダイサイズにも事業範囲を拡大する方針だ。
キムCTOは“ガラス基板産業は今や初期段階であるため、規格と品質検証などを標準化する必要性がある”とし、“これに対し、アブソリックスは北米で関連委員会を構成するなど、ガラス基板産業の標準制定のために多く努力している”と述べた。
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