22日、全国農民会総連盟(全農)が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束を促し、トラクターを運転して漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸に向かい、警察と対峙する事態が発生した。特に彼らの背景には最大野党の共に民主党議員たちが参加したことが明らかになった。
同日、共に民主党のキム・ソンフェ議員はフェイスブックに「民主党のイム・ホソン、イ・ソヨン、チェ・ヒョンイル、ムン・グムジュ議員が警察庁で一緒に交渉してくれた」として「舎堂駅からトラクターは引き続き道路で行進し漢南官邸に向かい、参加者たちは舎堂駅から地下鉄まで官邸に移動するだろう」と明らかにした。
全農は16日から全南や慶南からトラクター30台余りと貨物車50台余りで行進を始め、前日正午頃に南泰嶺に到着したが、警察との対峙で28時間にわたり徹夜集会を開いた。特に現場には、慰安婦支援団体の後援金横領で有罪判決を受けた共に民主党の尹美香(ユン・ミヒャン)元議員もいた。
22日午後7時頃、彼らがソウル龍山区漢南洞にある大統領官邸に出発したというニュースに、尹大統領の弾劾に反対するユーチューバーを中心に、夜遅くまで大統領官邸付近に大統領支持者が集会を開き、トラクターの行進を阻止したが、与党「国民の力」議員の姿は見られなかった。
一方、該当トラクターをめぐる議論が起きている。全農は、文在寅(ムン・ジェイン)政府だった2019年に北朝鮮への北送用としてトラクターを購入したが、対北朝鮮制裁で送ることができず、行方が不明だった。そんな中、今回の反政府デモにこれらが大挙動員されたためだ。
国際連合(国連)の対北滞在違反品目であるこれらトラクターが、2019年4月27日に板門店宣言1周年を迎え臨津閣で開かれた全国農民大会で初めて公開された以来、当時とまったく同じ「対北制裁解除」という文字が書かれたままいきなり登場したうえに、農機具として使われた痕跡がないのも指摘された。問題は、1台当たり4000万ウォン水準で取り引きされたトラクターが地方自治体の補助金と北送のための募金として購買されたため、国民の税金や募金が反政府デモに使われたという批判を免れることは難しいものと見られる。
一方、全農は1990年4月に創立され、1992年から本格統一運動を始めた。金大中(キム・デジュン)政府当時だった2000年の南北首脳会談と6.15宣言など統一運動に参加し、2000年10月に朝鮮労働党創建55周年慶祝行事に民主労総と韓国労総など二大労総と共に北朝鮮に招待されたりもした。
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