韓国の半導体在庫率26年ぶり最高…サムスン、在庫資産52兆ウォン

[写真=Gettyimagesbank]


韓国企業の不安が次第に高まっている。マクロ環境と呼ばれる景気低迷に、米国と中国など国家間の通商(貿易)摩擦が激しくなったためだ。事実上、経済界が自主的に解決しにくい国内外の経営環境が悪化し、国内企業には赤信号が灯り始めた。

19日、業界によると、各企業は急速に非常経営態勢に転換している。高物価、高為替レート、高金利などいわゆる「三重苦」の中で景気低迷が加速すると費用を減らさずには持ちこたえにくくなったためだ。全産業分野で消費心理の萎縮、投資減少などが行われ、今年に入って収益性が大きく悪化している。

代表的に半導体はダウンサイクル(低迷期)に入り、景気全般まで影響を及ぼしている。先月、半導体は輸出規模が昨年同期対比42.5%急減した。最大輸出品目が半分に減り、韓国政府は先月に続き2ヶ月連続で国内経済を「鈍化」局面と判断した。

実際、半導体の在庫は26年ぶりの最高水準を示している。今年1月の半導体在庫率は265.7%で、1997年3月(288.7%)以来25年10ヵ月ぶりに最も高かった。その分、韓国の国内企業の半導体が売れず、在庫が増えたという意味だ。

サムスン電子は半導体を含めた在庫資産が昨年末52兆1879億ウォンに達した。また、SKハイニックスは15兆6647億ウォンの在庫資産を記録した。両社は前年よりそれぞれ26%、75%急増した水準を示した。

他の産業も状況が厳しいのは同じだ。高金利にリース(賃借)方式を活用したり、貸出比重が高い航空、海運などの場合、資金圧迫がさらに大きい。航空会社はほとんどの航空機をリース方式で使用しているが、これを米ドルで支払わなければならない。また、船舶を発注する際も、大半が船舶金融を活用するのが実情だ。

問題はここに最近、国際的な通商摩擦による困難が加重されていることにある。米国と中国の覇権競争はもちろん、最近欧州連合(EU)の「核心原材料法(CRMA)」まで自国優先主義が深化し、国内企業の対応策作りが急がれる。サプライチェーン再編の動きによって、企業の算法が複雑になったのだ。

直ちに半導体は需要減少にともなう赤字展望の中で米国の「半導体支援法」、いわゆるチップス法で中国内生産施設の撤収可能性が出ている。米国政府が国家安保を理由に大規模補助金を支援する代わりに、10年間中国内の半導体設備に対する投資を制限する「ガードレール条項」を前面に掲げたためだ。現実化する場合、これまで投資金回収にともなう損失が避けられない。

また、今年第1四半期のサムスン電子半導体部門(DS)とSKハイニックスともに最大4兆ウォン台の営業損失まで見込まれている。貿易摩擦による国内企業のさらに大きな低迷が懸念される理由だ。

米国の「インフレ削減法(IRA)」もやはり韓国バッテリー企業の足を引っ張っている。IRAはバッテリーが特定鉱物・部品要件を満たしてこそEV(電気自動車)に税額控除の恩恵を与えるというのが核心だ。ただ、まだ中国に対する輸入依存度が高い韓国バッテリー企業には、サプライチェーンの多角化が宿題である状況だ。

財界関係者は「今年大部分の企業が経営しにくい状況だ」として「半導体や二次電池のように各国政府が注目している産業は特に韓国政府の支援なしにはグローバル市場で競争会社に比べて持ちこたえることは容易ではないだろう」と話した。
 
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