強震被害が発生したテュルキエが韓国の海外への原子力発電所輸出拡大にも悪材料として作用するとみられる。40兆ウォン規模のテュルキエ原発輸出事業がキャンセルされる恐れがあるという憂慮も提起されているためだ。テュルキエ現地と近隣の欧州諸国に広がっている原子力発電所爆発怪談が国民の不安を増幅させ、一部の議会と市民団体の原発建設反対の声まで高まっている。
8日、チュルキエ現地消息筋によると、国際原子力機関(IAEA)はチュルキエ南部に建設中のアックユ(Akkuyu)原子力発電所1号機が爆発したという噂が広がり、「これまで地震がチュルキエの原子力安全とセキュリティに及ぼす影響はない」という立場をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて伝えられた。
IAEAのこのような措置は、テュルキエと欧州主要国に急激に拡散する原発爆発怪談が原因だ。該当原発を建設中のロシア国営原子力企業ロスアトム(ROSATOM)も声明を出し「震度3の地震が現場でも感じられたが、建物構造物、クレーンおよび装備に対する損傷を発見できなかった」とし「それにもかかわらず工事と設置作業が安全に続けられるよう広範囲な診断措置を取っている」と鎮火に乗り出した。テュルキエ政府もアックユ原発爆発疑惑を公式に否認し、うわさが広がらないよう措置を取っている。
ただ、テュルキエ政府と国際機関の発表にもかかわらず、原発に対する不安感の拡散は予測できないほど大きくなっているというのが現地関係者の説明だ。特にギリシャ、サイプラス、テュルキイェ内の市民団体を中心に、新規原発建設反対を越え、すでに建設中のアックユ原発の中止まで促す動きが現れている。
このような雰囲気は、テュルキエ政府と原発輸出を議論中の韓国が直撃を受けている。昨年12月、韓国電力公社を主軸にした韓国原発チームとテュルキエエネルギー資源部は原発輸出論議を始め、先月30日には韓電がテュルキエ北部に次世代韓国型原子力発電所(APR1400)4基を建設する予備提案書をテュルキエ政府に渡した。
当初の計画通りなら、今年中には原発発電協約を締結し、来年には韓国政府とテュルキエ政府の国家間協約を進める予定だった。この事業には韓電を含め斗山エナビリティ、現代エレクトリック、LSグループなど国内主要企業と数十社の原発関連中小・中堅企業が参加し、その規模だけでアラブ首長国連邦(UAE)バラカ原発受注額(20兆ウォン)の2倍である40兆ウォンに達するという。
問題は原発建設予備提案書の伝達から1週間でM7.8の大地震が発生したということだ。発電業界は、テュルキエ政府が今回の災害を契機に原発建設を全面的に見直すだろうと予想している。黒海をめぐってクリミア半島と向き合っているテュルキエは、ロシア-ウクライナ戦争という地政学的リスクによって原発建設の安全性に疑問が提起された状態だ。これに加え、最悪の自然災害まで重なり、政府がこれ以上世論を説得しにくい状況に至ったというのが業界関係者の説明だ。
欧州内の海外メディアを中心に、ややもするとテュルキエから始まった原発恐怖症が欧州全域に広がり、欧州連合(EU)議会が原発に対する懐疑的な態度を取る恐れがあるという憂慮も提起された。この場合、テュルキエだけでなくポーランド、チェコと原発輸出を議論中の韓国に一層厳しい検証を要求したり、発注計画を全面修正するなどの悪材料が発生しかねない。
韓電側は「テュルキエとの秘密維持誓約のため、地震後の状況は明らかにできないが、依然として議論を続けている」と述べた。
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