韓国の消費者物価がピークを過ぎた可能性が高まってはいるものの、一部品目で物価が依然として高い水準を維持しながら不安な様相を続けている。
外食品目が30年ぶりに最高値まで急騰したうえ、キムジャンシーズンを1ヵ月後に控え、白菜と大根の価格が2倍に値上がりし、物価鈍化を実感するまでには時間がかかる見通しだ。
統計庁が5日に発表した「9月の消費者物価動向」によると、先月外食物価上昇率は9.0%で1992年7月(9.0%)以後30年ぶりに最も高かった。
外食を除いた個人サービスも4.5%上がり、2008年9~12月の4.9%記録以後最も高い上昇幅を示した。夏休みシーズンが終わり余暇・宿泊など外食除外サービスを中心に前月比上方圧力は鈍化したが、上昇幅は維持された。
農畜水産物は6.2%上昇し、8月の7.0%に比べて下落した。しかしキムジャンシーズンを控えて白菜(95.0%)・大根(91.0%)などをはじめ野菜類価格上昇が続いて農畜水産物価格上昇幅が高い水準を持続した。
電気・ガス・水道は14.6%上昇し、前月(15.7%)より鈍化した。しかし今月の電気・ガス料金など公共料金引き上げ価格が適用されるだけに、該当部門の物価上昇率は20%台に上がる可能性がある。
公共料金が引き上げられた余波で7~8月の電気・ガス・水道上昇率は調査が始まった2010年1月以後最も高い水準を記録した。
政府は電気料金とガス料金の引き上げが今月の物価上昇率を1年前に比べてそれぞれ0.1%、0.2%ポイントずつ引き上げると予想した。
この場合、2ヶ月連続で鈍化傾向を見せた10月の消費者物価が再び6%台に急騰する可能性がある。
問題は、ウクライナ戦争の長期化と為替レートの上昇で公共料金の上昇圧力は当分続くと予想されることだ。
対ロ制裁で欧州連合(EU)に対するロシアのガス供給が停止され、暖房需要が大きくなる今冬を控えてLNG価格がさらに高騰する可能性が高い。
その上、ウォン・ドル為替レートが1ドル当り1400ウォンを上回り、エネルギー輸入価格を含め輸入物品価格を押し上げる要因として作用している。金利引き上げの圧力が解消されるまでは為替レート上昇にともなう輸入価格上昇が持続する見通しだ。
これに対して政府は「10月中にキムジャンシーズン野菜類の需給安定のための方案を用意する」として「生活物価安定のために農産物需給、エネルギー価格変動性など物価関連主要要因を持続点検しながら適期対応する計画」と伝えた。
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