[キム・デジョンのコラム] 韓国の国際金融危機に備えよ

[写真・執筆=キム・テジョン世宗(セジョン)大学経営学部教授]


尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が大統領に当選した。韓国銀行総裁候補には李昌鏞(イ・チャンヨン)IMF局長が推薦された。韓国銀行と尹次期大統領がすべき最も重要な任務は、23年の米政策金利の3%引き上げに備えて国際金融危機をうまく乗り切ることだ。

韓国は製造業では世界5位、国内総生産(GDP)では世界9位だ。しかし、国際金融市場で韓国ウォンが決済される割合は0.2%、順位は30位圏と非常に低い。その理由は、韓国が製造業を集中的に育成したが、経済の血液のような国際金融は成長させられなかったためだ。1997年には為替相場が1ドル当たり2000ウォンまで上昇し、韓国は通貨危機に見舞われた。

08年の金融危機の時も為替レートが1ドル当たり1600ウォンに上昇して危険ではあったものの、韓国は韓米通貨スワップと韓日通貨スワップ締結で為替安定化を成し遂げた。しかし、現在は通貨危機を防御する2つの防御膜が消えた。最近の韓国国際金融の最も問題点と代案は以下の通りだ。

第一に、韓国は国際金融の現状が深刻な段階だ。22年、韓国の短期外債の割合は約34%で最も高い水準だ。1997年の韓国の通貨危機も短期外債の割合が上昇し、日系資金が流出したのが始まりだった。22年、外貨不足国はアルゼンチン、イラン、トルコ、ロシア、インド、インドネシア、ブラジル、韓国、そして南アフリカ共和国だ。

第二に、国際金融市場の不確実性が増加している。米国の政策金利の引き上げでドルが米国に回帰し始めた。世界中のドル不足や、韓日と韓米通貨スワップ拒否、韓国の短期外債比率の上昇、韓国の高い貿易依存度75%、そして新興国国家の不渡りなどだ。

第三に、韓国銀行の外貨準備高の現金不足と不良運用だ。韓国銀行の外貨資産構成を見ると、国債36%、政府機関債21%、社債14%、資産流動化債券(MBS)13%、株式7.7%、そして現金比重5%だ。韓国銀行は危険性の高い政府機関債とMBSは売り渡し、現金と国債を中心に運用しなければならない。現金の比重を30%に増やさなければならない。投資で最も大きな3つの原理は安全性、収益性、換金性だ。

第四に、韓国銀行に対して国会、企画財政部、大統領府の徹底した監督が必要だ。2021年、韓国銀行は韓国・トルコ通貨スワップで1兆ウォン以上損失を被った。また、韓国銀行は金利を0.2%ポイント上乗せするという理由で、米国債の代わりにモーゲージ債権に投資して危険を招いた。

尹次期政府がすべき最も重要な金融政策は、通貨危機に見舞われないよう徹底的に備えることだ。政府ができる代案の中で最も重要なことは、速やかに外貨準備高を2倍に拡大し、現金比重を30%に増やすことである。

国際決済銀行(BIS)が勧告する韓国適正外貨保有高は9300億ドルだ。2022年4月、韓国の外貨準備高である4600億ドルははBIS勧告額より4700億ドルが足りない。韓国は高い資本市場の開放性と流動性によって外国人が簡単に流出できる。政府は22年12月に終了した韓米通貨スワップを再び締結し、徹底的に備えなければならない。

外貨準備高/GDPの割合を見ると、韓国は28%で最も低い方だ。スイス148%、香港143%、シンガポール123%、台湾91%、サウジアラビア59%を記録し、通貨危機に徹底的に備えている。

コロナによる経済危機を全国民が一致団結して乗り越えなければならない。尹次期大統領には、国際金融市場を安定させることが最も重要な業務だ。政府は韓米通貨スワップを再び締結し、BIS勧告どおり外貨準備高を9300億ドルに増額しなければならない。二度と全国民を塗炭の苦しみに陥れるIMF通貨危機に遭わないよう徹底的に備えよう。
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