海外の大学や大学院で学ぶ韓国人留学生が急減している。不況で学費の負担が大きくなったのに加え、外国大学を卒業しても就職できないなど、メリットが薄れているためとみられる。
韓国教育科学技術部などによると、今年4月1日現在、海外で学ぶ韓国人留学生数は15万4178人で、前年比で6.1%減った。留学生が減少したのは2005年以降初めて。世界的な金融危機が起こった2008年も減少しなかった。留学生数は2005年に10万716人、2006年に11万3735人、2007年に12万3965人、2008年に12万7000人、2009年に15万1566人、2010年に15万2852人、2011年に16万4169人と増え続けていた。
大学で語学研修を受けている留学生数は8万5035人と、前年比13.5%減となった。
留学先は米国が7万3351人と全体の30.7%を占めた。次いで、中国が26.3%、カナダが8.6%、日本が8.4%、オーストラリアが7.2%、英国が5.3%、ニュージーランドが3.4%などだった。英語圏は計13万1878人と、全体の55.1%を占めた。
今年1~9月に留学生と語学研修生のため、外国に送金した金額は33億5000万ドル(約2729億円)となり、前年同期に比べ5.8%減った。最近は外国大学の修士・博士号を取得した韓国人留学生が多くなり、一流大学ではないとメリットが薄れている。
外国大学の博士号取得者数は1990年半ばまで増えたが、その後減少に転じた。韓国研究財団によると、外国大学の博士号取得者数は2003年の2152人から2011年は1160人に減った。
世界的な景気低迷により、韓国への留学生数も減った。学位取得を目的とした留学生数は6万589人と、前年比で4.8%減少した。語学研修生を合わせると、3.0%減の8万6878人。中国人留学生が5万5427人と全体の63.8%を占めた。日本人が4.7%、モンゴル人が4.4%、米国人が3.1%、ベトナム人が2.8%、台湾人が1.7%などの順だった。中国の高等教育需要や韓流などで外国人留学生は2005年の2万2526人から2011年は8万9537人に増えたが、今年初めて減少した。
(聯合ニュース)