太刀川正樹 日刊現代記者 亜洲経済編集委員 | ||
数日前に牛丼チェーンで有名な「すき屋」「吉野家」「松屋」などがいっせいに牛丼の値段を値下げした。「すき屋」が250円に劇的に値下げしたのに続いて「吉野家」も270円と値下げするなど値下げ競争が激化している。
実はこの300円前後の価格というのが現在のサラリーマンの平均昼食代なのだ。リーマンショックの起きる二年前には平均昼食代は710円だったという統計があるが、現在は平均300円と半分以下になってしまった。
日本のテレビをみていると、よく東京新橋駅前でサラリーマンたちを相手にアンケート調査をしている場面をよく見かける。そのインタビューをみていると、コンビニ弁当でも300円程度に抑えているし、高くても500円までと答える人が多い。
コンビニ弁当あるいは牛丼屋、立ち食いそばや、あるいはコンビニでカップヌードルや菓子パンを買ってオフィスで簡単な昼食とする人々も多い。ある意味では韓国人サラリーマンの昼食のほうが日本人サラリーマンよりは高額だといってよいかも知れない。勿論場所によって違うだろう。
例えば江南のサラリーマンは日本料理屋などで8000ウオンから10000ウオンの定食を食べることもあるだろうし、江北のサラリーマンは5000ウオンのトブチゲで済ますケースが多いかも知れない。
日本のサラリーマンは社員食堂がある場合にはそこで済ますし、社員食堂がない場合には近くの公園で簡単に済ませたりする例も多い。日本の場合にはおかずが多くないから、ほとんど残したりしない。韓国の場合にはキムチやチゲなどのおかず類が多いからほとんど残している。ある韓国人からおかずは残したりするの礼儀だとも聞いたことがある。「食べきれないほど客をもてなした」という名分が大事なのかもしれない。
いずれにしろ、最近の日本は異常なほどの猛暑に襲われており、老人だけでなく、40歳代の男性も熱中病で死亡している。すでに100人以上死亡しているというから尋常ではない。サラリーマンたちもこの猛暑で食欲も衰えているはずである。
この暑いなかでコンビニ弁当を食べるというのも容易なことではない。暑いときには元気をつけるためにうなぎ、焼肉などを食べたいところだが、懐がさびしいからうなぎまで手が届かない。日本人サラリーマンにとってこの夏はますます厳しいようだ。
太刀川正樹‐日刊現代記者‐亜洲経済編集委員 mike@tkk.att.ne.jp