[日文] 日本政府の法人税減税の動き加速化 5%の引き下げで2兆円

(亜洲経済= 金在桓 記者)日本政府内で法人税率引き下げが加速化している。現在、日本国内ではリーマン・ショックからの立ち直りに光明がさしてきた。今回のような税率の引き下げは、企業の負担を軽減して日本国内の設備投資を増加させ、生産・開発拠点の海外流出を防ぐことが目的だ。実際に、産経新聞の調査によると中長期的に海外需要の取り込みを「強化する」と回答した企業は55.9%に上った。

減税は短期的には国家の財政を一段と悪化させるが、5%の引き下げで10年後に国内総生産(GDP)を2兆1000億円押し上げるという試算もあり、景気浮揚効果が期待できるとの展望が出ている。25日、産経新聞はこの様な減税の影響を韓国のサムスンと日本企業を比較し伝えた。

◆消費1.2兆円増

日本の法人実効税率(法人事業税と法人住民税含む)は現在40.7%。日本の経産省が今月18日に公表した産業競争力を高めるための「産業構造ビジョン」骨子案では、現行税率をまずは5%程度引き下げることを政府税制調査会(会長・菅直人副総理・財務相)に要望する方針を提示し、2011年度の税制改正要望に盛り込む見込みだ。鳩山由紀夫首相も「減税の方向に導いていくのが筋」とし、減税は既定路線となりつつある。

ただ、減税幅によって景気への影響は大きく変わる。第一生命経済研究所の永濱利広・主席エコノミストの試算によると、減税実施から1年後に企業の設備投資は4000億円増える。さらに、2年目以降は設備投資の増大が国民の賃金や雇用にも波及し、個人消費も段階的に増加。10年後には個人消費を1兆2000億円、設備投資を2兆2000億円押し上げ、輸入に回る金額を差し引いたGDP全体の押し上げ効果は2兆1000億円に上る見通しを示した。

減税幅を10%にすると、景気効果はほぼ2倍になり、10年後にはGDPを4兆3000億円押し上げる見通し。ただ、極端に税率を引き下げても、設備投資に回る資金が正比例して伸びるわけではない。実際には、過大な投資は効率性が悪くなるため、「税率を下げれば下げるほど、設備投資などの伸びは鈍化する」(永濱氏)という。

◆投資効率悪化も

だが、5~10%の減税に踏み切ったとしても、日本企業の進出が盛んな中国の25.0%、韓国の24.2%と比べると日本の課税水準はまだまだ高い。経産省は骨子案の中で「法人税率は国際的水準(25~30%)を目指す」としており、最終的には15%程度の引き下げを目指す可能性もある。

経産省によると、現在、日本と約15%の税率の差がある韓国を代表する企業、サムスン電子は、2008年12月期の売上高が11兆6000億円。税引き前利益は約6000億円(為替レートは当時)。政策減税などの影響を加味した税引き後の最終利益は5600億円になる。

一方、液晶テレビなどでサムスンと競合するシャープは売上高が約3兆4000億円、税引き前利益が約1600億円。売上高、利益ともにサムスンの約4分の1の規模だが、日本は法人税の負担が大きいため、最終利益は1050億円程度となり、その収益差はさらに広がる。

■厳しい市場の目 財政規律と綱引き

法人税率の差が、結果的に設備投資に表れ、日本企業の競争力をそぐ。実際にサムスンは今月、今年の設備投資と研究開発費の総額が過去最大の26兆ウォン(約2兆円)になると発表した。日本の製造業では考えられないほどの巨額投資だ。

◆税収減は4830億円

政府が韓国並みに法人税率を15%引き下げれば、GDPは10年後に6兆円超押し上げられる見通し。国内企業の投資意欲も増すとみられるが、一方で法人税率引き下げは税収減につながり、財政悪化を招く。

2008年度は約10兆円に上った法人税収は、企業業績の低迷で2009年度は5兆1750億円にまで落ち込んだ。税収全体に占める割合も23%から14%まで低下。財務省の峰崎直樹副大臣は「法人税率を5%引き下げれば今の税収水準なら1兆円、ひょっとしたら2兆円くらい減るかもしれない」と懸念する。

永濱氏の試算によると、法人税減税に伴う税収減について、5%ならば初年度に4830億円、10%ならば9650億円に上る。その穴埋めに国債が増発されれば、将来的な国民負担の増加につながる。

だが、法人税減税による企業業績改善効果により、中長期的に税収は改善する。試算では、減税実施から9年目以降に税収が減税前の水準を上回る見通しだ。永濱氏は「財政状況に配慮しつつ、段階的に引き下げるべきだ」と語る。

ただ、子ども手当などによる歳出増で、2011年度予算編成ではすでに10兆円程度の財源不足が指摘されている。ギリシャ問題に端を発し国の財政リスクがクローズアップされるなか、先進国で最悪の財政赤字を抱える日本に対する市場の目は厳しさを増している。このため、政府内では「来年できればベストだが、ちょっと難しい。次の衆院選前にできればいい」(大塚耕平内閣府副大臣)と減税に慎重論も出ている。

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