2026. 07. 21 (火)

基礎年金、70%の壁を越え貧困対策を目指すべき

鄭恩京保健福祉部長官は、今年下半期に基礎年金の支給基準の見直し案を示すと発表した。現在、65歳以上の高齢者のうち所得下位70%にほぼ同額を支給する方式を見直し、所得が少ないほど多く受け取る「下後上博」構造に変更するという。老後の貧困を減らすために導入された基礎年金が、実際には貧困の程度を適切に反映していないという問題意識がある。

現行制度は、高齢者世帯の所得と資産を換算した所得認定額を基準に下位70%を選定し、月最大34万9700ウォンを支給している。理解しやすく、幅広い高齢者層を支援するという利点がある。しかし、高齢者人口の70%を必ず受給者に設定した相対評価方式は、時間が経つにつれてさまざまな矛盾を露呈している。

最大の問題は、政策目標が曖昧になった点である。所得と資産がほとんどない高齢者と、相対的に安定した所得を持つ高齢者が似た金額を受け取る。限られた財源を広く分配するため、生計が厳しい高齢者には十分な支援が行き届かない。基礎年金の受給率は高いが、高齢者貧困解消効果は限定的であるとの評価が出ている理由である。

下位70%という基準も現実と合っていない。高齢者世代の所得と資産が全般的に増加すれば、選定基準額も共に上昇する。貧困の有無にかかわらず、全高齢者の一定割合を常に含めなければならないからである。逆に基準を少し超える高齢者は基礎年金を全く受け取れない。所得差が大きくないのに年金受給の有無によって可処分所得が逆転する「門戸効果」も発生する。

政府が検討している基準中央値所得連動方式は、こうした問題を正す出発点となる可能性がある。高齢者の何番目に該当するかを問うのではなく、実際の生活を維持するために必要な所得があるかを基準とするものである。基礎年金の目的が高齢者70%に手当を分配することではなく、最低限の老後生活を保障することであれば、絶対的な貧困基準を適用することが原則にも合致する。

ただし、下後上博が単に受給対象を減らして財政を節約する手段に変質してはならない。低所得高齢者の支給額は実質的な生活費を賄えるように引き上げる一方で、既存受給者の急激な脱落を防ぐ仕組みも整える必要がある。所得区間ごとに支給額を緩やかに減少させる方式が求められる。70%の境界線を別の崖に変える改編では困る。

夫婦減額制度も見直す必要がある。現在、夫婦が共に基礎年金を受け取る場合、それぞれの年金額を20%ずつ削減する。共に生活すれば生活費が節約されるという論理だが、低所得高齢者夫婦にとっては薬代や介護費、住居費が依然として大きな負担である。政府が進める段階的縮小は、最も貧しい夫婦から優先的に適用するのが妥当である。婚姻状態が老後所得の不利益になってはならない。

国民年金との関係も整理する必要がある。保険料を誠実に納めた人が基礎年金の算定で逆に損をするという認識が広がると、国民年金加入のインセンティブが弱まる。基礎年金は税金で保障する最低所得、国民年金は拠出に応じて受け取る所得比例年金という役割を明確に区別する必要がある。基礎年金の改編は、国民年金や退職年金、基礎生活保障制度を包括する多層的な老後所得体系の中で進めるべきである。

財政の持続可能性も無視できない。高齢人口が急速に増加する中で、支給額と対象を同時に拡大し続けることは、未来の世代にとって負担をかけることになる。だからこそ、より普遍的な分配よりも貧困層への集中支援が必要である。所得と資産把握の正確性を高め、一定期間ごとに貧困減少効果と財政負担を評価する仕組みも整える必要がある。

基礎年金改編の成否は、どれだけ多くの人に支給するかではなく、最も困難な高齢者の生活をどれだけ改善できるかにかかっている。政府は政治的に楽な定額引き上げにとどまらず、支給基準や減額制度、他の年金との関係まで一緒に見直すべきである。70%という数字を守る年金から、老後貧困を実質的に減らす年金に変える時である。

鄭恩京保健福祉部長官が15日、政府世宗庁舎で2026年下半期業務報告に関する事前ブリーフィングを行っている。写真=聯合ニュース
鄭恩京保健福祉部長官が15日、政府世宗庁舎で2026年下半期業務報告に関する事前ブリーフィングを行っている。 (写真=聯合ニュース)




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