サムスン電子は人工知能(AI)時代に必須とされる超大容量サーバーソリッドステートドライブ(SSD)用「1Tb(テラビット)クアッドレベルセル(QLC)9世代V-NAND」を業界で初めて量産したと12日、明らかにした。
これにより、AI用高性能・高容量SSDラインナップをすべて備え、企業用SSD(eSSD)の第一人者の地位をさらに強固にするものと予想される。 これに先立ち、4月にサムスン電子は高性能「トリプルレベルセル(TLC)第9世代V-NAND」の初量産を発表している。
AI時代には高帯域幅メモリ(HBM)のほかにも、大規模な言語モデルデータ学習や貯蔵のための高容量SSDが必須要素として挙げられる。 特に、AI性能が高くなり、これを後押しするQLC需要も共に高まっている。 QLCはTLCより同一面積対比でより多くの容量を支援し、AIデータセンターに最適な製品として業界主流になるものとみられる。
市場調査会社のトレンドフォースは、今年のNAND型フラッシュの売上が前年対比77%増加した674億ドル(約90兆3429億ウォン)に達すると展望した。 特に今年、QLCがNAND出荷量の20%を占め、この割合は来年大幅に増加すると予想した。
サムスン電子の第9世代V-NANDは独歩的な「チャンネルホールエッチング」技術を活用し、ダブルスタック構造で業界最高段数を具現した。
特に、今回のQLC第9世代V-NANDは、セルとペリー(セル動作管長回路構成)の面積を最小化し、前世代QLC V-NANDに比べて約86%増加した業界最高水準のビット密度を提供する。
V-NANDの積層段数が高くなるほど層間、層別セル特性を均一に維持することがより一層重要になり、サムスン電子はこのために「デザインモールド」技術を活用した。
「デザインモールド」とは、セル特性の均一化、最適化のためにセルを動作させるWL(トランジスタ電源担当配線)の間隔を調節して積層する技術で、データ保存性能を以前の製品より約20%高め、製品の信頼性を向上させた。
今回の第9世代QLCは、セルの状態変化を予測し、不要な動作を最小化する「予測プログラム技術」の革新を通じ、前世代QLC製品に比べて書き込み性能は100%、データ入出力速度は60%改善した。
また、NANDセルを駆動する電圧を下げ、必要なBL(データ書き込み・読み取り担当配線)だけをセンシングし、電力消耗を最小化した「低電力設計技術」を通じ、データ読み取り、書き込み消費電力もそれぞれ約30%、50%減少した。
サムスン電子はブランド製品を皮切りに、今後、モバイルUFS、パソコンやサーバーSSDなど、QLC第9世代V-NAND基盤製品の応用先を徐々に拡大する計画だ。
一方、サムスン電子は持続的に成長しているNAND型フラッシュ市場に対応するため、AIサーバー向け製品を中心にポートフォリオを強化している。 また、中長期的に重要な応用先となるオンデバイスAI、電装(車両用電子装備)などにポートフォリオを広げる計画だ。
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