韓国政府の医学部増員に反発した専攻医らの大規模な集団辞職と病院離脱が22日で3日間続いている。政府は「厳正対応」方針を維持し、業務開始命令を下しているが、医師側との葛藤が激化し、患者の被害が広がる見通しだ。
22日、専攻医のほとんどが勤務する主要100カ所の修練病院を点検した結果、20日夜まで専攻医の8千816人が辞表を提出した。これは全体専攻の1万3千人余りの70%近くを占める数値だ。特に7813人は実際にガウンを脱ぎ捨てて欠勤を強行した。
保健福祉部はこれまで専攻医6千228人に業務開始命令を下し、3千377人は所属修練病院から命令不履行確認書を受け取った状態だ。
これに先立ち、専攻医団体の大韓専攻医協議会は去る20日、緊急代議員総会で医学部増員計画の全面白紙化、業務開始命令の全面廃止、専攻医修練環境の改善などを政府に要求した。
しかし、政府がこれを受け入れる可能性が低いだけに、専攻医の辞職や病院離れは続くと見られる。
医療大乱が続出する中、大韓医師協会も専攻医らを支持しながら「国民の生命権は当然大切だが、医師の職業選択の自由もやはり国民の基本権として当然尊重されなければならない」と主張している。
韓国政府は原則どおり法を執行するという立場だ。法務部、行政安全部、最高検察庁、警察庁は前日(21日)「医療界集団行動対策会議」を開き、業務開始命令にも復帰せず集団行動を主導する主導者と背後勢力に対して「拘束捜査」を原則とし、正常診療や診療復帰を妨害する行為も厳重に処罰することにした。
問題は、患者の被害が日増しに増えていることだ。
特に手術を控えた患者の日程が遅れ、国民の生命が脅かされている状況だ。各病院では、救急や重症患者を中心に手術を行い、急いでいない診療や手術は最大限先送りしている。
一日200~220件を手術するサムスンソウル病院は、専攻医の辞職届提出が始まった19日に全体手術の10%、20日には30%、21日には40%を延期した。またソウル聖母(ソンモ)病院とソウル峨山(アサン)病院も手術を30%ほど縮小した。
これだけではない。「医療空白」事態が総合病院だけでなく一般病院級まで影響を与えているのだ。ある一般病院は、入院患者と保護者に「応急状況発生時の死亡、健康悪化など患者の状態変化に対して責任を問わない」という誓約書を要求している。上級病院への転院が難しくなったためだ。
福祉部のパク・ミンス第2次官は「集団行動では国民からいかなる共感と支持も得られない」とし、「専攻医は患者のそばに直ちに復帰して、政府との対話に参加してほしい」と訴えた。
世界のどの国でも医療関係者が重症·応急分野の患者を放置してまで集団行動をする事例がないだけに、医師に対す国民の不満も高まっている。
全国保健医療産業労働組合も立場文を通じて「専攻医らの診療中断により患者らが深刻な不便を強いられており、医師業務が看護師など他の職群に押し付けられている」とし、「医師らは早く正常診療に復帰し対話に乗り出さなければならない」と促した。
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