国策研究院である韓国開発研究院(KDI)が、これまで不振だった韓国経済が漸進的に緩和されていると診断した。サービス業生産が緩やかな増加傾向を持続した中で、製造業生産も半導体を中心に不振が緩和した影響だ。
KDIは7日に発刊した「8月の経済動向」を通じて「製造業生産減少傾向が鈍化しサービス業生産が緩やかな増加傾向を持続するなど景気不振が漸進的に緩和されている」と評価した。
6月の全産業生産は前月(-1.1%)より高い1.1%の増加率を記録した。
鉱工業生産(-7.6%→-5.6%)は、自動車(18.7%→10.8%)の高い増加傾向が続き、半導体(-18.7%→-15.9%)、電子部品(-19.9%→-12.2%)、化学製品(-16.7%→-10.4%)の減少幅が縮小し、不振が緩和された。
サービス業生産(1.9%→3.5%)は金融・保険業(8.3%→10.1%)、運輸・倉庫業(8.4%→7.4%)、専門・科学・技術サービス業(1.7%→4.0%)などを中心に緩やかな増加傾向を維持した。
製造業は平均稼働率(72.8%→71.9%)がやや低い水準にとどまっているが、在庫率(122.7%→111.4%)が大幅に下落し、不振緩和を示唆した。
消費不振も一部緩和されている。消費者心理指数が上昇傾向を続けている中、乗用車小売販売が大幅に増加した。
商品消費を反映する小売販売は、6月の耐久財を中心に前月(-0.6%)より高い1.4%の増加率を記録した。前月比でも1.0%増加し、不振が緩和された。
非耐久財(-0.6%)と準耐久財(-2.1%)は衣服(-2.2%)、飲食料品(-1.0%)など主要品目を中心に減少傾向が続いた。
サービス業生産は前月(1.9%)より増加幅が拡大(3.5%)し、サービス消費が緩やかな増加傾向を維持している可能性を示唆した。
宿泊および飲食店業(-4.5%)が基底効果の影響で減少したが、金融および保険業(10.1%)などで増加幅が拡大し前月より高い増加率を記録した。
設備投資は運送装備を中心に減少幅が一時的に縮小されたが、先行指標の不振は設備投資需要が制限的な状況であることを示唆した。
6月の設備投資は運送装備を中心に前月(-4.5%)より減少幅が縮小された-0.6%の増加率を記録した。
機械類(-5.5%→-4.3%)は特殊産業用機械(-7.8%→-5.7%)と電気および電子機器(-9.2%→-10.1%)を中心に前月に続き減少した。
運送装備はその他の運送装備(1.4%→-1.6%)の減少にもかかわらず、自動車(-3.0%→19.9%)が個別消費税引き下げ終了など一時的要因で急増し、前月(-1.3%)より高い10.8%の増加率を記録した。
輸出は昨年第4四半期以降続いた不振が漸進的に緩和されている。
7月の輸出は前月(-6.0%)より低いマイナス16.5%の増加率を記録したが、これは操業日数の変動と基底効果など一時的な要因によるものと判断される。
基底効果が大きく作用した自動車と船舶を除いた一日平均輸出(-18.8%)は前月(-17.1%)と似た流れを見せた。
6月の輸出物量は半導体を中心に増加に転じ、不振が緩和される様子だ。
輸出と輸入はいずれも減少傾向を続けたが、輸入がさらに大幅に下落し、貿易収支は前月(11億3000万ドル)に続き16億3000万ドルの黒字を記録した。
KDIは、世界的な景気下方要因として原材料価格の上昇や中国の景気回復の遅れなどを挙げた。
KDIは「最近原油価格が上昇した中でロシア・ウクライナ戦争などの地政学的要因と気象条件悪化で穀物価格急騰に対する憂慮が増大している」とし「グローバル製造業景気が依然として不振な中、中国は不動産市場を中心に景気下方リスクが拡大したと評価される」と明らかにした。
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