韓国政府が3ヵ月連続で景気鈍化が憂慮されるという診断を出した。高い物価上昇の勢いが続き、輸出回復に警告灯が灯ったという理由からだ。
企画財政部は19日に発刊した「最近の経済動向(グリーンブック)8月号」で「最近の韓国経済は雇用と対面サービス業回復で内需が緩やかな改善を続けている」と指摘した。続けて「だが対外環境悪化などで高い物価上昇傾向が持続し、経済心理も一部影響を受ける中で今後の輸出回復傾向制約など景気鈍化が憂慮される」と診断した。
3ヵ月連続で景気減速への懸念に触れたのだ。政府は6月の経済動向で初めて鈍化の可能性を提示した。
6月の全産業生産は前月より0.6%増え、2ヶ月連続で増加した。半導体需給の支障問題が好転し、半導体(4.2%)と自動車(7.4%)など生産が増えた結果だ。設備投資も半導体装備が一部入ってきて、前月より4.1%増えた。7月の就業者数は1年前より82万6000人増え、増加傾向が続いた。
一方、7月の消費者物価指数は1年前より6.3%上昇し、通貨危機当時の1998年11月(6.8%)以来、23年8ヵ月ぶりの最高値を記録した。経済心理で悪化した。先月の消費者心理指数は前月より10.4ポイント下がった86.0で、2020年9月(80.9)以降初めて90を下回った。指数が100より低ければ長期平均(2003~2021年)より消費心理が悲観的だという意味だ。さらに、7月の輸出は1年前より9.2%増に止まった。2ヵ月連続一桁の増加率だ。
対外環境も肯定的ではない。政府は「対外的には国際金融市場変動性が多少緩和したが、グローバル景気下方リスクが引き続き拡大している」と診断した。政府が挙げた景気下方要因は世界的なインフレ(物価上昇)持続と主要国の政策金利引き上げ基調や米国・中国成長鈍化、ロシア・ウクライナ戦争長期化などだ。
政府は秋夕(チュソク・9月10日)以降の9月末、遅くとも10月には景気減速の一軸である物価上昇の勢いが衰えると予想し、物価安定に集中する計画だ。
企画財政部は「秋夕民生と豪雨被害復旧など民生・物価安定に総力対応する」とし、「民間経済活力向上とリスク管理努力を強化し、部門別の構造改革課題を速やかに推進する」と明らかにした。
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