[亜洲招待席] 「万博は経済オリンピック・・・『交通物流中心』の釜山が最適地」

[写真=亜洲経済(2030釜山国際博覧会招致委員会のキム・ヨンジュ委員長がソウル鍾路区Dタワーの事務所で亜洲経済とインタビューをしている)]


「国際博覧会は『経済オリンピック』であり『文化オリンピック』です。開催国にとって大きな跳躍のきっかけとなり、人類の未来に解答を与える世界イベントでもあります。」

2030国際博覧会(ワールドエキスポ)誘致戦に乗り出したキム・ヨンジュ2030釜山国際博覧会誘致委員会委員長(70)。キム委員長は最近、亜洲経済とのインタビューで博覧会の意味についてこのように述べた。

韓国第2の都市である釜山は、今年半ば万博誘致競争に乗り出した。『登録博覧会』への挑戦だ。国際博覧会機構(BIE)が公認する博覧会は、テーマの制限なしに5年ごとに6ヵ月にわたって開かれる『登録』と登録博覧会の間で3ヵ月間開かれる『認定博覧会』に分けられる。位相と経済的効果がより大きく、『ワールド(World)』の呼称をつけるのが登録博覧会だ。誘致競争もそれだけ激しい。

キム委員長は、釜山が歴史とインフラの面で十分な競争力あると自信を示した。また「釜山は大韓民国が経済援助を受けた最貧国から供与国に成長してきた過程で核心的な役割をした都市」とし「インフラと誘致経験の側面からも競争力が高い」と強調した。

主な一問一答は以下の通り 。

2030年の世界博覧会の誘致に乗り出した理由は。

「国際博覧会(万博)はオリンピック・ワールドカップ(W杯)と並ぶ3大国際イベントの一つと評価される。また『経済オリンピック』であり『文化オリンピック』と呼ばれる。万博は6ヵ月にわたって開かれる。そのため、経済・産業・文化・観光など社会全般に及ぼす波及効果がオリンピックやワールドカップと比較にならないほど大きい。国家ブランドの向上を通じて、大韓民国の地位強化に大いに役立つだろう。

成功した博覧会と評価されている2010年上海国際博覧会は、7300万人の来場者を動員した。経済的には48兆ウォン相当の生産誘発と63万人の雇用創出効果を上げた。

2030年の万博誘致に成功すれば、韓国は3大国際行事をすべて開催した世界7番目の国になる。BIEが公認する国内初の登録博覧会でもある。大田(テジョン・1993年)、麗水(ヨス・2012年)博覧会は認定博覧会だった。」

多くの都市のうち、なぜ釜山なのか。

「釜山は世界7位のコンテナ港である釜山港をはじめ、空港や鉄道などインフラがよく整った交通物流中心地だ。国際イベントの開催経験も豊富で、十分な開催力を保有している。

特に韓国の発展ぶりを象徴する都市として万博を開催するのに最適である。韓国が経済援助を受けていた最貧国から供与国へと成長してきた過程で核心的な役割を果たした都市であるだけに、韓国の発展像と博覧会のテーマである『世界の大転換』というテーマをよく見せてくれる場所だ。

釜山万博のテーマは『世界の大転換、より良い未来に向けた航海(Transforming our world、 Navigating toward a better future)」。副題は △自然との持続可能な生活(Sustainable living with Nature) △人類のための技術(Technology for Humanity) △ケアと分かち合いの場(Platform for Caringand Sharing)だ。

釜山万博は3大テーマを通じて未来人類の発展に寄与し、明るい未来を目指している。経済成長の経験を活かした架け橋の役割も果たすことになるだろう。韓国は戦争廃虚から発展途上国や先進国入りした国だ。戦争の痛みで援助を受けた受恵国から世界10大経済強国に成長しただけに、韓国の発展過程を開発途上国に共有し、彼らに希望と挑戦のメッセージを伝えたい」。

「経済オリンピック」である万博の社会的・経済的効果は。

「万博は2週間前後の短い期間で終わるオリンピックとは異なり、6ヵ月にわたって開催されるため、波及効果も他の国際行事より大きい。

現在、経済的効果を分析する作業を行っている。結果は年末に発表する予定だ。2016年に産業研究院は釜山万博を招致し、43兆ウォンに達する生産誘発と18兆ウォン規模の付加価値誘発、50万人の雇用創出効果などを予測している。

技術を広報する場でもある。韓国の先進情報通信技術(ICT)や製造業技術の発展の様子を世界に知らせ、メタバース・人工知能(AI)・ブロックチェーンなどの次世代技術を韓国企業がリードする機会となる。

国家ブランドの向上で産業界が享受する付加的効果は測定できないが、非常に重要な効果だ。万博で韓国企業のイメージも向上するだろう」

外交的には大韓民国の発展の様子を世界に知らせる機会だ。地球規模の問題に関する解決策を世界の人々と模索し、人類に新しい未来像を提示する名実ともに世界先導国家に跳躍する契機になる。」

国家均衡発展の側面でも役に立つか。

「深刻な首都圏集中問題とこれに伴う社会的・経済的問題解決のための触媒にもなる。国家均衡発展の側面でも意味があると思う。

国民の生活の質の向上にも資するものと考えられる。釜山市を中心に釜山・蔚山・慶尚南道の釜蔚慶メガシティ議論が推進力を持って進めば、よりバランスの取れた国土発展が実現できる。」
 

[写真=亜洲経済]


最も激しい競争が予想される都市は。

「2030国際博覧会の誘致申請は10月29日に締め切られた。釜山は6月23日に申請書を出し、ロシア・モスクワ(4月29日)、イタリア・ローマ(10月7日)、ウクライナ・オデッサ(10月15日)、サウジアラビア・リヤド(10月29日)も申請した。

1906年と2015年にミラノで万博を開いたイタリアを除くすべての国が登録博覧会開催のために初めて申請した。招致に総力を挙げると予想される。

ロシアは2010年の万博誘致申請から4回目の挑戦だ。何度も誘致のため努めてきたノウハウがある。イタリアの首都ローマは世界的な観光都市という長所があり、産油国であるサウジアラビアは『オイルマネー』の資金力を武器に総力戦を繰り広げると予想する。ウクライナは知られている情報が少なく、伏兵になるかもしれない。いずれも手強いライバルだ。」

誘致国選定まで2年ほど残った。どのような準備をしているのか。

「万博誘致場所は、開催都市の認知度のほかにもテーマの差別性や競争力、政府・民間の外交力、国民の支持率と情熱など様々な要素で決定する。汎国家的力量を結集して、国内初の登録博覧会誘致に向けて最善を尽くす。

BIE総会は、毎年6月と12月の2回開かれる。今年12月のBIE総会で誘致申請国が初の競争プレゼンテーション(PT)を行う。来年上半期には誘致計画書をBIEに提出し、下半期にはBIE側の現地実体調査が行われる。開催地決定は23年6月頃と予想される。

まずはPTに力を入れている。12月に開かれる第169回総会から最終開催地の決定まで計4~5回にわたり、すべての申請国が170のBIE加盟国を対象にPTを行う。誘致広報効果を極大化する戦略的PT案を準備している。

誘致計画書と現地実体調査も重要だ。誘致計画書は博覧会開催の基本計画であり、開催地の決定に重要な判断根拠となる。BIEが提示した項目に従って忠実に作成するものの、韓国と釜山だけの強みを見せる差別化策について苦心している。現地調査も準備に万全を期するだろう。

政府とともに加盟国別の支持性向を把握し、適合型誘致交渉活動も推進している。先月、国務総理(首相)を委員長とする汎政府誘致支援委員会が設置された。国の推進体系確立に伴い、本格的な誘致活動に乗り出す計画だ。」

国際博覧会は企業への支持も重要だというが。

「いかなる国際行事よりも積極的に企業と協力している。『企業とともに準備する博覧会』と言われるほどだ。

招致委も企業と活発に疎通・協力して委員会を構成した。国内5大グループのサムスン電子・現代自動車・SK・LG・ロッテのトップが誘致委副委員長を務めている。理事会の執行委員会にはポスコ・ハンファ・GS・現代重工業・新世界など10大グループの社長がすべて参加した。

中堅企業も協力している。先月、バイオ協会・半導体産業協会などが参加した韓国産業連合フォーラム(KIAF)と万博誘致協力に関する業務協約を締結した。これにより主要産業別中堅企業と協力できる土台を作った。

現在、韓国企業の海外インフラ・ネットワークを活用した広報と国別誘致交渉活動のための具体策を協議中だ。誘致活動全般において企業の役割が重要なだけに、より多くの企業と協力する。」
 

[写真=亜洲経済]


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