サムスン電子とLG電子など韓国企業は超大型展示館を設け、「ミレニアル」と「プレミアム」をキーワードに家電の定義を新たに下すという戦略だ。中国からはなんと882社が参加するなど、人海戦術を繰り広げる。ソニー、パナソニックなど日本企業は、現存する最高画質と呼ばれる8K TV製品を先を争って披露する。
IFAは、米ラスベガスの「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」、スペイン・バルセロナの「モバイルワールドコングレス(MWC)」とともに世界3大IT・家電展示会に挙げられる。
◆サムスン・LG超大型・超高画質TV市場を主導
グローバル家電業界をリードしているサムスン・LG電子は、まず、韓・中・日の最も激しい競争を繰り広げているTV部門で先制攻撃に乗り出す。
特に「8K TVの商用化」を主導しているサムスン電子は、ラインナップ拡大で市場の主導権を強固にする。これまで65・75・82・98型など大型製品に集中した8K Quantum Dot(量子ドット・QLED)ラインナップを拡張し、普及型55型8K QLED TVを披露して大衆化に拍車をかける。
また、ミレーニオル世代(1980年代初~2000年代初生まれ)を攻略したオーダーメード型の家電を大挙披露する。例えば、スマートフォンに慣れている使用者のためにスクリーンを90度で回転させることができる「ザ・セロ」、額縁をかけておいたようなデザインの「ザ・フレーム」、審美的価値に重点を置いた「ザ・セリフ」などだ。
このほか、画面を丸く巻いたり広げることができる世界初のローラーブルOLED TVの「LGシグネチャー OLED R」、ナノセル技術を適用した75型スーパーウルトラ高画質(HD)TVなども披露し、欧州市場で本格的に発売する。
この他、両社は適用範囲が大幅に拡大した人工知能(AI)技術などを紹介する。自社の生活家電をモノのインターネット(IoT)と音声コマンドなどで連動し、自分だけの「AI生態系」を構築する新概念の「スマートホーム」も披露する。
◆中国は物量攻勢・・・日本は8K TV出撃を準備
中国企業は向上した技術力を基に新製品を大挙発売しながら全世界の観覧客たちの耳目を捕らえるものとみられる。今年IFAに参加する中国企業は、全体の1856社のうち882社(48%)だ。
特に中国ファーウェイ(Huawei)のリチャード・ユー最高経営責任者(CEO)は、今年IFAのオープニング基調講演者として舞台に立ち、存在感を誇示する。中国のハイセンス・スカイワークス・TCL・Changhong(長虹)なども革新TVを大挙披露と予想される。
日本のシャープは、IFAで世界最大の120型8K液晶表示装置(LCD)TVを初めて公開する予定だ。今年の初めにCESで98型8K LCD TVを披露したソニーは、IFAでも8Kプレミアムラインナップを披露する見通しだ。
◆スマートフォン競争戦線の拡大
スマートフォンの分野でも新フォームファクタがあふれて「革新競争」が繰り広げられる見通しだ。サムスン電子は新しくなった「ギャラクシーフォールド」と、初の普及型5世代移動通信(5G)スマートフォン「ギャラクシーA90」を公開する。 LG電子は、新たなデュアルスクリーンのスマートフォンである「V50sシンキュ(仮称)」をIFAで初めて公開する。
中国のOPPO(オッポ)とVIVO(ビーボ)、レノボなどの新製品を発売する。日本ではソニーが6.1型の画面を備えた「エクスペリア2」(Xperia 2)を公開する。
業界関係者は、「IFAは下半期の市場競争の『出発点』といえる」とし、「今年は家電だけでなく、スマートフォン分野でも多くの新製品が出撃を準備しており、今年一年間のIT業界の革新を見計らうことができるだろう」と述べた。
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