「一等国家日本」の没落・・・「日本化」恐怖に震える世界経済

  • 低インフレ・金利、高負債など日本化の前兆拡散

  • 日本銀行の実験的な金融刺激策に「打つ手なし」

  • 「財政拡大、構造改革など政治的決断が必要」

[写真=アマゾン(米ハーバード大学のエズラ・F・ヴォーゲル名誉 教授が1979年に書いた「ジャパン・アズ・ ナンバーワン」]


「日本化(Japanification)」という幽霊が世界経済を苦しめている。日本が30年目経験している長期不況の兆しがあちこちに広がっているという話だ。さらに、欧州では「日本くらいならまだまし」という言葉が出回ってるほどだ。史上最長の成長ぶりを誇っている米国も低迷の恐怖に包まれた。

◆「一等国家日本」の没落

日本経の済は1980年代に最大の好況を享受した。経済指標とともに株式、不動産価格が空を突く間、日本の企業は米国の競合他社とのランドマークの不動産を買い入れた。すでに世界2位の経済大国になった日本の浮上は、米国を脅かすほどだった。「ジャパン・アズ・ ナンバーワン(Japan as Number One)」という本がベストセラーになったほどだ。米ハーバード大学のエズラ・F・ヴォーゲル名誉教授が1979年に書いたこの本のサブタイトルは、「アメリカへの教訓」だ。

ヴォーゲル氏はわずか10年で面子を潰した。東京株式市場の看板指数である日経225が1989年12月29日に3万8915円で最高点を付け、翌年から垂直落下し始めた。日経平均は今まで一度も30年前に高店を回復できず、2万台にとどまっている。日本経済は1990年代初め、資産バブルがはじけてからデフレ、長期不況の泥沼に吸い込まれた。

◆日本化の前兆① 低インフレ

専門家らは世界経済の日本化前兆の一つとして低インフレを挙げる。低インフレは物価上昇率が低いことをいう。物価上昇率が下がり続けてマイナス( - )になるとデフレになる。物価が持続的に低くなる現象だ。

米連邦準備制度(FRB・Fed)はもちろん、欧州中央銀行(ECB)をはじめとする主要中央銀行は、いずれも低いインフレのせいで頭を抱えている。世界的な金融危機以降、景気を浮揚するために莫大な資金を供給したのにも関わらず、物価上昇率が目標値をはるかに下回っているからだ。資金をたくさん供給すると、貨幣の価値が落ちて物価が上がるのが普通だ。景気回復の勢いで物価引上昇への期待感が大きくなると、消費が増えて景気がさらによくなる。逆に物価上昇が遅かったり、ひいては物価がもっと下落するだろうという期待は、消費萎縮の要因となる。

◆ 日本化の前兆② 低金利

もう一つの日本化の前兆は低金利だ。1990年代、日本経済が不安定なとき、日本の国債に売り対ヘッジファンドの買いは、結果的に大きな損失を破った。日本の国債価格がむしろ上がって、金利が墜落したのだ。10年満期の日本国債の金利は、1990年9月に8%を超えた後、急落傾向に傾いた。1998年10月には1%、ついに2016年にはマイナスに落ちた。以後、0%台で騰落を繰り返した金利は、最近マイナス領域で史上最低水準を維持している。

債券金利がマイナスになると、満期のときにそれだけ損失を受けるしかない。それでも国債に資金が集まる理由は、景気が不安な時に信頼できる安全資産であるからだ。金利がさらに下がると(国債価格が上がると)流通市場に売って資本利益を手にすることができる。グローバル低迷への懸念の中、日本はもちろん米国、ドイツなど他の主要国の国債金利が引き続き墜落している理由だ。ドイツ銀行によると、現在、全世界でマイナス金利で取引されている債権が約16兆ドル分、全体の30%を超える。日本がこのうち半分近くを占めており、ドイツとオランダの国債は全量がマイナス金利で取引される。

◆ 日本化の前兆③ 高負債

日本経済のバブルがはじけてからヘッジファンドが日本の国債に背を向けたのは、何よりも国家財政が危機陥ったせいだ。日本の財政収支は1980年代の好況のおかげで黒字反転を成したが、1990年代の初めに再び赤字へと転じ、反転を成していない。その間、国家負債が急速に増加した。国内総生産(GDP)比公的債務比率が1990年の67%から昨年238%へと、主要国の中で最高になった。日本政府が、減ったGDPを負債(国債発行)で補った結果だ。日本の国債発行残高は、過去30年間で6倍近くに増えた。日本政府が急激に借金を増やしたのは、日本の銀行(BOJ)が作ってくれた超低金利環境のためだった。国債の買い付けに積極的な日本の投資家らの保守性も一役買った。

◆専門家ら「強力な政治的対応に乗り出すべき」

専門家らは日本の「失われた30年」が与える教訓は、中央銀行が導入したあらゆる刺激策が効かなかったと指摘する。BOJは、ゼロ金利、量的緩和、マイナス金利など実験的な金融刺激策を相次いで導入したが成果を出せなかった。むしろ、非正常的に作った超低金利の環境が市場を歪曲したという批判を受ける。事実上、現在進行形の他の主要中央銀行の金融危機対応策も同じだ。

モルガン・スタンレー資産運用の最高投資責任者(CIO)のLisa Sharlet氏は、最近フィナンシャル・タイムズ(FT)に「低金利やマイナス金利は中毒性がある」とし、「非常に恐ろしいことだ。日本はまだそこから抜け出せず、世界は非常に危うい状態」と警告した。

英国の経済週刊誌であるエコノミストは、中央銀行の景気刺激の余地が底をついた状況で、日本化に立ち向かうためには、減税と財政支出の拡大、構造改革など日本が取ったものよりもさらに急進的な政治的対応が必要だというのが専門家らの大半の意見だと伝えた。

 
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