[キム・グァンソクのコラム] 準備不足の「高齢社会(agedsociety)」がやってきた!

[キム・グァンソク韓国経済産業研究院経済研究室長]


韓国は2018年に「高齢社会」に突入した。相当数の大衆はすでに高齢社会ではなかったか、という疑問を抱いている。韓国は2017年まで「高齢化社会」だった。65歳以上の高齢層が全体人口の7%以上の場合は高齢化社会(agingsociety)であり、14%以上なら高齢社会(agedsociety)に分類する。高齢化社会は「歳をとっていく社会」を、高齢社会は「すでに歳をとった社会」を意味するという点で大きな違いがある。韓国の高齢者割合は、2017年13.8%から2018年14.3%へと上昇し、高齢化社会から高齢社会へと分類が変わった。今後2026年には韓国の高齢者人口の割合が20%を超過し、「超高齢社会」に突入する見通しだ。

韓国は高齢社会に向かってハイスピードで突入しており、世界で最も速い速度を出している国だ。韓国の高齢社会への速度は他の先進国より速く進められており、政府政策や企業戦略などにおいて格別の関心を持つ必要がある。このような速度だと、韓国世界で最も早く上昇し2030年には高齢者の割合がOECDの平均水準を超えるものと見られる。さらに、高齢化が一先に進展した日本とイタリアをそれぞれ2050年、2060年に追い越し、高齢者の比重が最も高い国になる見通しだ。

高齢化の急速な進展で何より心配される一つの事項は労働力不足だ。今のように仕事がなくて悩む「雇用なき経済」とは異なり、人がいなくて悩む「労働力のない経済」へのパラダイムシフト転換が現れると予測される。OECD加盟国の生産可能人口の割合を比較してみると、韓国の労働力問題が深刻になるかどうかが理解できる。2050年に20~64歳の人口、あるいは20~69歳の人口を基準にOECD加盟国と比べてみると、韓国は労働力が最も不足している国の一つとされる。韓国の生産可能人口の比重は、OECD加盟国の中でラトビア(Latvia, LVA)に次いで2番目に高く、OECDの平均水準に大きく及ばない。

韓国は世界的にも少子化の国に属する。韓国の合計出生率(total fertility ratio)は世界最低水準であり、今後も高齢化が加速化することを示している。韓国の合計出生率はOECD加盟国(OECD平均1.70人)の中で最も低い35位を記録しており、世界224カ国(世界平均2.54人)のうち220位で最低水準である。保育施設の拡充、「子供の世話」サービスの拡大、女性経歴断絶の解消、時間選択制雇用といった柔軟勤労制度の拡大、出産奨励金の支給拡大など多様な政策的努力が行われたにもかかわらず、出産環境は以前よりも悪化している。

青年たちの最初の社会進入が遅れる一方、住宅価格は上昇し、婚姻年齢層の結婚も遅れた。結婚した世帯まで子供の扶養負担のため、2人以上の子供の出産を嫌う雰囲気が造成されている。女性の仕事と家庭の両立が可能な勤労環境を作るために相当な制度改善が試みられたが、依然として仕事と家庭を並行するには現実的困難がある状況で出産意志が低いのは当たり前のことだ。

韓国社会の高齢者は非常に貧困だ。所得水準も低い上、自家以外の資産を保有できず、目立った老後準備ができていないためだ。韓国の老人貧困率(Elderly Poverty Rate)は49.6%で、OECD加盟国の中で1位であり、2位国家のアイスランド(24.1%)よりも2倍以上高い。OECD平均の11.4%に比べても高齢者の貧困率は深刻な水準だ。60代以前には安定した所得に基づいて中間層の生活を営むが、60代以降は雇用の安定性が落ち、老後への準備不足で脆弱階層に転落する傾向が現れている。

「高齢社会」へ突入するには準備不足の韓国。どうすれば「準備ができている高齢社会」にできるのか?

第一に、出産環境の改善を通じて出産率を高め、高齢化の速度を遅らせなければならない。良質の時間選択制雇用と保育施設を拡大し、女性がキャリアを断絶しなくても育児を仕事を並行できる環境を整えるべきだ。出産奨励金や保育・教育費の支援も拡大し、出産環境を改善していく必要がある。第二に、扶養年齢層の扶養能力を高める必要がある。生産可能人口が縮小するため、より多くの割合の生産可能人口が雇用市場に進入できるよう労働市場の構造的な変化が求められる。すなわち、扶養年齢層の雇用拡大及び質的改善が必要である。

第三に、老人福祉の財政健全性を強化しなければならない。世代ごとに老後準備の必要性を認識させ、適切な老後準備方法等に関するガイドラインやコンサルティングを提示すべきである。さらに、私的年金、不動産運営など公的年金以外の方法で老後準備ができるよう、適切な金融商品の開発及び普及が必要である。最後に老年層の自立性を高める必要がある。勤労が可能な老年層を中心に公共勤労事業や架け橋になる働き口を設けることで、最低生計費水準の老後所得を確保できるようにしなければならない。








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