[キム・グァンソクのコラム] 2018年下半期の経済見通し

[写真・執筆=キム・グァンソク漢陽(ハンヤン)大学国際学大学院兼任教授]


「2018年下半期の経済はどのように流れていくだろう?」、食堂を運営する社長にも、就職を準備する青年にも、家計の財政に責任を負っているお母さんにも、そして政府や企業の意思決定者たちにもかなり関心を持たせる質問だ。2016年の景気底点から2017年には相当な回復傾向を見せ、2018年上半期までにはそれが持続されたが、これからどうなるかという期待と心配が共存する時点だ。

2018年下半期の韓国経済は次のような多様な経済的問題に囲まれている。

第一に、韓国経済の最も大きな質疑は「基準金利の引き上げは?」ということだ。米連邦準備制度(Fed)が今月13日(現地時間)、基準金利を0.25%p引き上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2018年下半期基準金利を2回追加引き上げし、2018年に4回利上げを行う可能性を示唆し、2019年も3回の利上げが行われる見通しだ。米国と韓国の基準金利格差がさらに広がるようになり、韓国経済に相当な負担として作用する見通しだ。2018年下半期韓国の基準金利の引き上げの可能性は相対的にもっと高くなり、これによる不動産、家計負債、企業の投資などにわたる影響などは重大なイシュー(問題)になるものとみられる。

第二に、逆チョンセ(伝貰・住宅価格の5~8割を貸し手に払って、契約終了時に借り手に全額返還するシステム)難への懸念が高まる見通しだ。2017年から政府は不動産市場の安定化に向けた政策基調を維持している。2015~2017年は賃貸住宅の供給不足現象が加速化される反面、マンション分譲物量が超過供給されながら、多くの家計がチョンセ(借家)から「住宅購入」に移動してきた。これによって、一部の地域では家主が借り手を探せず、チョンセ価格が下落している。実際2016年以降、チョンセ需給指数が下落傾向を持続しており、チョンセの供給不足現象が緩和されている状況だ。2018年下半期にはチョンセ需給指数が100を下回るチョンセ需要不足に転換する可能性がある。

第三に、南北経済協力に対する期待が広がる見通しだ。2018年上半期には2回の南北首脳会談と米朝首脳会談が開催された。2018年下半期には北朝鮮との実務会談が進展され、非核化に向けた動きや、開城(ケソン)工業団地の再稼働と金剛山(クムガンサン)観光の再開など、多様な経済開放が加速化することが期待される。これによって建設・鉄道・エネルギーなどのインフラ開発、資源開発、観光企画、対北朝鮮支援などの多様な事業が慌ただしく進められる可能性がある。ただし、韓国だけでなく、中国などの多様な国々から関連事業に積極的に参加しようとする意志が現れ、対北朝鮮事業をめぐって相手国との競争も加速化される見通しだ。

第四に、庶民経済で最も重要なキーワードは「雇用のない経済」であるだろう。2013~2017年の全体人口の失業率は3.1%から3.7%に上昇した。同じ期間、青年失業率は8.0%から9.8%に上昇した。2018年下半期には雇用環境がさらに悪化する可能性がある。金利上昇による企業の投資萎縮、構造調整の加速化による新規採用の伸び悩みなどの影響で、韓国経済の雇用創出力が下落すると予測される。さらに、最低賃金引き上げの基調と週52時間制の適用拡大などによる雇い主の採用の負担が加重されるものとみられる。ただ、政府の公共分野の雇用拡大基調と中小企業を中心とした雇用奨励金支援などの制度が、厳しい労働市場の補完策として作用するものと期待される。

第五に、「第4次産業革命対応の本格化」は、2018年下半期の韓国経済の重大なイシュー(課題)になる見通しだ。2018年下半期には人工知能、ビックデータ、事物インターネットなどの第4次産業革命の基盤技術に集中的に研究開発(R&D)投資を行い、当該分野の人材養成に力を入れて、新しいビジネスに発展させるための企業の動きが目立つだろう。2017年8月に新設された大統領直属「第4次産業革命委員会」は人工知能ソフトウェア、ハードウェア、データ∙ネットワークの各分野別の源泉技術及びこれを活用した融合技術開発を支援し、新産業成長のための規制改善や制度の整備を推進する計画だ。さらに、スマート工場を集中的に普及して、公共ビックデーターを市場に開放し、ビックデータ基盤の産業を育成するなど、産業全般にわたって相当な機会があるだろうと予想されている。

世界経済は2015、2016年の不況期から脱し、明確な回復動向を見せている。国際通貨基金(IMF)によると、世界経済成長率は2016年3.2%から2017年3.8%、2018年3.9%へと回復傾向を持続するものと見られる。韓国経済は2017年の3.1%回復水準を続けて、2018年上半期まで3.0%を上回る水準の回復基調を持続してきた。しかし、内需・外需景気が軒並み低迷し、2018年下半期には上昇の勢いがやや鈍っており、2018年の経済成長率が3%を下回るだろうと見られる。

2018年下半期には相当な機会と脅威要因が存在するものと予想される。2018年下半期に展開される脅威要因に既に備えて、機会要因をうまく活用する知恵が必要な時点だ。国際金融市場が不安定して、為替変動性が急騰し、国際原油価格の基調が変化するなど、多様な変化が現れている。企業はモニタリング機能を強化しなければならない。南北経済協力可能性及び第4次産業革命への対応などの様々な機会も模索し続けて、雇用問題などを解決するための柔軟な勤労システムや企業文化の定着に向けた努力も要求されるだろう。
 
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