[CEOコラム] 韓半島の平和ムードに包まれた米経済変化

[写真・執筆=ク・ヒジン大信(テシン)資産運用代表]


韓半島の情勢が変わった。4·27南北首脳会談で終戦宣言と北朝鮮の非核化を語っている。実現の可能性に疑念を抱いていた米朝首脳会談も6月12日、シンガポールで開くことにした。南北首脳会談に続き、米朝首脳会談まで順調に終われば、下半期には4者(南・北・米・中)と6者(4者+日本・ロシア)首脳会談が次々と開かれるだろう。歴史的な終戦宣言と非核化交渉が現実化されるという期待感がいつになく大きい。

もちろん、はっきりしたことはまだ何もない。北朝鮮や米国が再び心を変えるかもしれない。ちょうど今、変化が始まっており、今後進むべき道は遠い。しかし、韓国や北朝鮮、米国はこのようなチャンスが再び来るのは難しいという点を知っているはずだ。北朝鮮で最高の意思決定権者は30代の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長であり、我々と米国もまだ新しい政権を発足させたばかりだ。第1回と第2回南北首脳会談の時と比較する理由だ。当時、韓国と米国は並んで政権交替を控えていた。今とは意思決定力や速度、政策の連続性の面で差が大きかった。過去にも平和ムードが造成され、政治・経済的に大きな期待を集めたが、それだけ失望感も大きかった。

今回は違わなければならない。文在寅(ムン・ジェイン)政府は対北朝鮮政策として「同時行動論」を提示している。つまり、圧迫と対話を並行してきた。これを通じて韓半島の平和体制構築を超えて、平和共存、共同繁栄というビジョンに向かって進むということだ。いかなる交渉であれ、不協和音や力比べが発生することはある。しかし、お互いに耐えなければならないことだ。永遠の味方もいなければ、永遠の敵もいない。2017年を振り返ってみると、どんな時よりも戦争の危機感が大きかった。反対に、今年に入ってからは南北の首脳が会って平和体制構築を語っている。

アメリカは歴史的な景気拡大局面を続けている。株式市場も似たような例を見つけることが難しいほど、長い上昇曲線を描いてきた。ドナルド・トランプ米大統領と共和党はこれを維持するためにすべての力を注ぐしかない。景気拡大の勢いが鈍化すると国政支持率も墜落する。政策を打ち出す度に反対にぶつかるだろう。

トランプと共和党が最も警戒するのもまさにこういうことだ。米国は2009年6月から今まで106ヵ月にわたって景気拡張局面を守ってきた。歴史的には二番目に長い拡張局面だ。最も長かった景気拡張区間は1991~2001年(120ヵ月)に現れた。

ところが、今回の景気拡大は過去とは少し違う。とても熱いというよりは中途半端なぬくもりが維持されているといえる。伝統的な産業群が率いている成長振りではないからだ。未来を開いてくれる第4次産業革命を中心に成長傾向が続いている。技術革新が全世界の産業構造に構造的な変化を起こしている。

韓半島平和ムードに劣らず、このような変化にも注目しなければならない。特に、米国がどのように変化しているか注目しなければならない。トランプ行政部はスタートするやいなや、新冷戦時代の到来に対する懸念を全世界に拡散させた。最近、韓半島の平和ムードとは違い、中東では再び緊張が高まっている。経済的には米国優先主義(アメリカ・ファースト)に代弁される保護貿易主義の論議が徐々に拡大されてきた。米国と他のすべての国、米国と中国の間の貿易紛争が対立を増幅させている。

トランプは関税政策を打ち出して保護貿易を強化している。このような措置は、消費と物価に看過できない影響力を及ぼす。トランプ行政部が財政収支の悪化を押し切って減税に乗り出した理由だ。景気拡張サイクルがもうすぐ終わりかねないという懸念が大きくなり始めた。
 
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