2026. 05. 31 (日)

安全優先の原則を再確認すべき時

ソウルの西小門高架橋の解体現場での崩落事故と、三星駅のGTX工事現場での鉄筋の欠落問題は、一見異なる事件のように見えるが、本質は同じである。安全よりもコストとスピードを優先する歪んだ慣行が、今なお我々の社会の至る所に残っているという点である。
 
李在明大統領は28日、「お金が命よりも貴重であってはならない」と述べ、関係機関に徹底的な調査と厳正な責任追及を求めた。李大統領は「安全よりもお金や効率性を重視する悪しき慣行」を指摘し、公共部門に関連する事故の深刻さを強調した。
 
今回の事故がさらに深刻な理由は、国民の安全を担保すべき公共領域と大規模インフラ事業で発生したからである。西小門高架橋の事故は都心の真ん中で発生した大規模な安全事故であり、GTXの鉄筋欠落問題も国民の不安を煽る代表的な事例である。鉄筋の欠落は単なる施工ミスではない。設計、監理、施工、管理の全体的なシステムが適切に機能しているかどうかを疑わせる構造的問題である。
 
韓国社会は大規模な惨事が発生するたびに「二度と繰り返してはならない」と言ってきた。しかし、時間が経つにつれて緊張感は緩み、コスト削減と工期短縮の論理が再び安全の上に立つ。現場では人員と資材が減少し、下請けと再下請けの構造の中で責任は曖昧になる。事故が発生すると、実務者数名を処罰する程度で終わる場合も少なくない。
 
28日は九宜駅の惨事から10周年でもある。2016年、単独で作業していた19歳の青年労働者がスクリーンドアを修理中に列車に轢かれて亡くなった。当時、社会は危険の外注化と安全管理の不備を強く批判した。しかし、10年が経った今も産業現場では労働者が命を失い、杜撰な工事や安全規則違反の問題が繰り返されている。
 
特に最近では、景気後退と収益性の圧力の中で、安全コストを削減しようとする誘惑が大きくなっている点も懸念される。建設・土木現場だけでなく、製造業や物流、プラットフォーム産業全般でも「効率」と「スピード」を前面に出した競争が激化している。しかし、安全をコストとして見る瞬間、事故は予告された災害となる。
 
企業と公共機関はともに認識を根本的に変える必要がある。安全はコストではなく投資である。安全規則を守ることは選択ではなく、最低限の義務である。事故が発生した後に遅れて対策を講じ、責任者を処罰するだけでは再発を防ぐことはできない。設計段階から施工・運営・監督までの全過程で安全基準を強化し、これを違反した場合には地位にかかわらず責任を明確に問わなければならない。
 
政治界も安全問題を争点として消費する態度から脱却すべきである。大規模な事故が発生するたびに相手陣営の責任論だけが浮上する中で、現場の構造的問題は解決されていない。国民が求めているのは攻防ではなく、再発防止である。
 
国家のレベルは超高層ビルや先端技術だけで決まるものではない。市民が安心して働き、移動し、生活できる社会であるかがより重要である。安全が揺らぐ社会は決して先進国とは言えない。「お金よりも命が優先」という最も基本的な原則を再確認すべき時である。
26日午後2時32分頃に崩落事故が発生したソウル西大門区西小門高架橋の解体現場の様子。
26日午後2時32分頃に崩落事故が発生したソウル西大門区西小門高架橋の解体現場の様子。[写真=読者提供]




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