LGディスプレイとLG化学がこれまで海外業者が独占してきたOLED核心素材の国産化に成功した。
LGディスプレイとLG化学は全量輸入に依存してきたOLED核心素材「pドーパント(dopant)」を両社独自技術で開発したと9日、明らかにした。
ドーパントは素子効率と色純度、寿命などを高めるため、OLED発光層に添加する化合物だ。 そのうち、pドーパントはOLED発光効率の画期的な向上と素子寿命の延長、消費電力の低減に最も重要な役割を果たす。 ただ、空気の中で簡単に変質する特性のため、開発難易度が最も高いOLED素材の一つに挙げられる。
LGディスプレイとLG化学は約10年間、pドーパントの国産化を目標に共同研究を進めた末、独自技術で従来の輸入材料と同等の効率と性能の素材開発に成功したと伝えた。 LGディスプレイが材料設計提案および性能検証を行い、LG化学が材料合成および素材生産を引き受けるなど、両社のシナジーが極大化された結果だ。
LGディスプレイのユン·スヨン最高技術責任者(CTO·副社長)は“2013年、世界で初めて55インチOLED TVパネル量産に成功した以後、10年間積み上げてきた技術力を結集し、核心素材まで独自に開発することにより、OLED技術リーダーシップを一層強化する契機を用意した”と述べた。
特に、タンデム(Tandem)OLED(有機発光層を2層以上積む技術)のように多層構造のOLEDほど多量のpドーパントが投入されるため、関連素材確保の重要性がさらに高まっている。
今回のpドパントの国産化で、LGディスプレイは独立的で安定的なサプライチェーンを構築すると同時に、独自特許まで確保し、グローバルOLED市場を主導できる新しい動力を追加することになった。
国内素材・部品・装備生態系の発展に寄与するところも大きい。 LGディスプレイは“これまでOLED産業自立度の向上とサプライチェーン強化のために国内協力会社と素材から部品、装備まで国産化を推進してきた”とし、“今回の国産化で、LGディスプレイのOLED素材国産化率は昨年58%から今年64%に高まった”と説明した。
LGディスプレイは独自開発したpドーパントを今後、大型および中小型OLEDパネルに順次適用していく予定だ。
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