最近、高金利の影響でベンチャースタートアップの資金難が続く中、買収合併(M&A)物件が殺到している。しかし、経済不確実性でM&A関連投資資金が当分大きく増えるのは難しい状況であるだけに、(韓国)政府が乗り出してM&A市場に流動性支援をしなければならないという主張が出た。
10日、大韓商工会議所(SGI)持続成長イニシアチブは「(韓国の)国内企業の先端技術競争力向上のためのM&A支援方案」という報告書を発表した。SGIによると、2023年上半期基準のグローバルM&A市場での取引金額は前年比39.5%減少した中、米国M&A市場での取引金額は前年比41.3%減少した。国内のM&A取引金額も前年より41.0%も減少した。SGIは「M&Aを通じた企業の技術力向上効果が低下するのではないかと憂慮される状況だ」と診断した。
最近、高金利の余波でベンチャースタートアップの資金難が続く中、これらベンチャースタートアップ企業のM&A需要が大きくなっている。しかし、最近の経済不確実性で投資家が保守的にM&A市場に接近し、関連投資資金も当分大きく増えるのは難しい状況だ。
SGIは、政府が企業構造革新ファンド、M&Aベンチャーファンドの規模を増やすなど政策金融を通じてM&A市場に流動性を支援しなければならないと主張した。SGIは「政策金融がM&Aの主要プレーヤーである私募ファンドとの協業を通じて資金供給を効率的に拡大していかなければならない」と強調した。
最近、先端技術分野の企業間M&Aは兆単位以上の大規模資本が必要な状況だ。SGIは、政策金融の個別企業に対する支援資金の規模も拡大しなければならないと強調した。これに対し、先端技術分野の企業に限って輸出入銀行と産業銀行の同一借主に対する信用供与限度(産銀:自己資本の25%、水銀:自己資本の50%)を拡大する案を提示した。
SGI報告書によると、韓国企業の海外投資はM&A型投資よりは生産基地や支店設立を目的とするグリーンフィールド型(greenfield)投資が中心になっている。2022年基準、韓国企業の海外投資のうちグリーンフィールド型投資比重は67%で、M&A型海外投資に比べて多い。
SGIは、韓国政府が韓国企業のアウトバウンドM&Aを支援する必要があると言及した。韓国企業が海外企業を買収するアウトバウンドM&Aは、海外企業からの技術移転効果が大きく、国内企業の生産性を向上させ、国内経済の投資・生産・雇用増加につながる可能性が高い。
SGIは最近、資金調達に困難を来たしている米国のスタートアップ技術企業に対するアウトバウンドM&Aを積極的に考慮しなければならないと強調した。最近、米国はシリコンバレー銀行(SVB)破産などで金融不安が高まり、資金調達に困難を来たしているスタートアップ技術企業が多くなっている。これは国内企業が米国の有望なスタートアップ技術企業を過去に比べて相対的に低い価格で買収できる良い機会と考えられる。
SGIのキム・ギョンフン研究委員は「逆説的にもM&A市場沈滞で低くなった企業価値は投資家に良い機会かもしれない」として「このような機会を生かすためにはより積極的な政策的支援が必要であり、これはM&A市場の回復だけでなく究極的には国内経済の活力向上につながるだろう」と強調した。
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