ポスコケミカルが世界最大規模の陽極材生産工場を竣工し、本格的な稼動に突入した。 量産能力、製品多角化、品質·原料競争力が集約された生産拠点を活用し、世界バッテリー素材市場での支配力を強化するという腹案だ。
ポスコケミカルは全羅南道光陽市で、「陽極材光陽工場の総合竣工式」を開いたと10日、明らかにした。 今回の総合竣工を通じ、陽極材光陽工場は年産3万トンだった生産能力を9万トンに引き上げた。 これは単一工場基準で世界最大の生産能力だ。 陽極材9万トンは、高性能電気自動車100万台以上に搭載されるバッテリーを作ることができる量だ。 工場の総面積はサッカー場23つの大きさに匹敵する16万5203㎡だ。
光陽工場は次世代電気自動車バッテリー素材であるハイニッケルNCMAとNCM陽極材を主力に生産し、世界中のバッテリー·完成車企業に供給する。 また、今後、ハイニッケル単粒子陽極材、NCA陽極材、エネルギー貯蔵装置(ESS)向け陽極材など、多様な製品群を備えた生産基地としても運営する方針だ。
今回の光陽工場の総合竣工により、ポスコケミカルは亀尾工場(1万トン)、中国浙江浦華合弁工場(5000トン)を含め、陽極材10万5000トンの生産能力を確保することになった。 これに加え、浦項工場(6万トン)、中国浙江浦華工場(3万トン)、カナダGM合弁工場(3万トン)も建設中だ。
ポスコケミカルは、世界最大規模の光陽工場を前面に押し出し、市場変化と顧客要求にさらに迅速かつ柔軟に対応するものと見られる。 これを通じて北米、欧州、中国など全世界の拠点拡張に速度を上げるという腹案だ。 また、国内外で追加増設を推進し、2025年34万t、2030年61万t規模の陽極材生産能力を確保し、研究·開発(R&D)と製品群拡大にも力量を集中する計画だ。
2018年、年産5000トン規模の第1段階生産工場を着工した後、4段階にわたって増設してきたポスコケミカル陽極材光陽工場は増設過程で工程改善を持続してきた。 第1段階着工当時と比較した時、ライン当り生産量300%増加、全工程の無人運営、原料·製品が秒速5mで移動できる物流システム適用などがなされた。
工場には各種エコ技術も適用された。 屋根·駐車場などに年間1.3GWh(ギガワット時)規模の電力を生産できる太陽光発電設備を構築した。 また、汚染物質低減設備の導入と用水の再利用を通じ、前駆体生産時に発生する廃水を従来の工程対比49%減らした。
一方、ポスコグループは光陽工場近くに原料、中間素材、陽極材まで1ヵ所で生産できるバッテリー素材全体供給網クラスターを造成している。 ここに年間4万3000tの水酸化リチウムを生産するポスコフィルバラリチウムソリューション、廃バッテリーをリサイクルしてリチウム·ニッケル·コバルトを抽出するポスコHYクリーンメタルを建設している。 また、中間素材の生産のため、年間4万5000トンの前駆体工場の建設も推進している。
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