求人倍率4月を底値に横ばい
人材サービス・インテリジェンスが運営する転職サービス『DODA(デューダ)』で、同サービスに登録している個人求職者と、法人企業の求人数をもとに「転職求人倍率」を発表した。2009年以降、顕著な悪化傾向をみせていた企業側の求人倍率は4月の0.68倍(全体平均)を底値に、5月、6月とわずかながら改善傾向がみられ、8月は0.74倍に。08年3月以来17か月ぶりに、全業種が前月を上回るという結果が出た。また7月から9月にかけてはほぼ「横ばい」の状態だが、下げ止まりの傾向にあると同社は発表している。
企業側の求人倍率は、1月の1.02倍から4月の底値まで下降線。5月からはわずかに改善するも7月に再度0.68倍を刻んだ。しかし、8月は0.74倍へとわずかに上昇し、9月は0.73倍と大きな変動は見受けられない。さらに業種別の求人倍率を見ると【IT/通信/インターネット】は0.94倍、【金融】は0.78倍、【サービス】は0.69倍と軒並み0.1以下というなかで、【メディカル】は最高値3.05倍を記録した。
医薬品メーカー、医療機器、病院・調剤薬局などを含む【メディカル】の求人倍率は突出して高い状態が続き、前月8月は3.26倍と、昨年の調査開始以来、最も高い数値となった。さらに10月以降の下半期には、大型新薬の特許が一斉に切れる「2010年問題」を背景に、新たな採用計画にもとづいた求人が出てくるともいわれ、求人倍率は再び上昇するという見解。しかし、同社が行った就業に関する意識調査では精神面、体力面を理由に離職者が多いこともあり、企業側は“早期離職”の改善が今後の課題となっている。
一方、転職希望者の求職活動に関しては、例年は8月の夏季休暇後に9月から転職活動が活発になる傾向があったが、今年は9月に大型連休があったため、通常よりも1か月遅れで転職希望者の活動が活発化しつつあるといい、今後は“年内の転職”を目指す希望者で市場はさらに活性化していく見通しだ。上昇か、横ばいか、もしくは「二番底」となるのか? 注目が高まる。
亜洲経済= キム・ジェファン記者 kriki@ajnews.co.kr