金融研「現在の基準金利、適正水準より1.8%p低い」

[写真=亜洲経済]


韓国の現在の基準(政策)金利の水準が適正基準金利より相当低いという主張が提起された。最近、韓国銀行(中央銀行)が15ヵ月ぶりに基準金利を0.25ポイント引き上げたが、これに止まらず、しばらくは基準金利を追加で引き上げるべきだという提言を出したのだ。

韓国金融研究院のチャン・ミン先任研究委員は12日、『テーラー準則を活用した適正基準金利推定と政策的示唆点』報告書を通じて、「現在の基準金利水準は準則金利と適正基準金利水準と比較してそれぞれ2.5%、1.8%低い水準だった」と明らかにした。

最近、韓国銀行はコロナ拡散による経済危機に対応して、昨年5月以後史上最低水準の0.5%に維持されてきた基準金利を15ヵ月ぶりに0.25%ポイント引き上げた年0.75%に上方修正した。韓銀はこのような金利引き上げの根拠として、景気回復の勢いや物価上昇、金融不均衡の深刻化を取り上げた。

チャン研究委員は、韓国のかつての基準金利経路を考慮し、テイラー・ルールを導き出し、準則金利と実際の基準金利との関係分析を通じて適正基準金利の水準を推定した。『テイラー・ルール』とは、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授が提示したもので、中央銀行が適正インフレ(インフレギャップ)、潜在成長率などを考慮し、金利政策を運用する方法論を意味する。これは通貨(金融)政策の適正性を評価する重要な指標として活用されている。

彼は報告書で「韓銀がテイラー・ルールで示しているよう、物価安定と金融安定に同じ加重値を置いて金利政策を運用したと仮定した場合、準則金利は現在の基準金利よりかなり高いことが分かった」とし「韓銀が今年の物価上昇率目標値である2%を上回り、経済成長率も2%台前半の潜在成長率より大きく高い4%を記録するという見通しは準則金利が現在の基準金利水準よりかなり高いという分析結果を裏付ける」と説明した。

また、韓銀が実際の金利政策運用の際、物価安定と金融安定、成長の3つの変数を全て考慮しているという点を反映して準則金利を推定した結果では、今年第2四半期基準で4%を上回ることが分かった。これはインフレギャップと算出ギャップ、信用ギャップに対する加重値をそれぞれ0.4、0.3、0.3ずつ付与して推定したことによるものだ。

さらに、このような加重値を与えず、かつての基準金利経路を考慮して導き出した分析では、現在の基準金利(第2四半期基準)水準が準則金利や適正基準金利水準よりそれぞれ2.5%ポイントと1.8%ポイントほど低かった。

こうした結果についてチャン研究委員は「分析を総合してみると、現在の韓国の基準金利は成長および物価、金融条件などを反映して推定された準則金利や適正基準金利水準よりすべてかなり低いとみられる」とし「これは当分、基準金利引き上げ基調を維持する必要があることを示唆する」と評価した。

ただ、急激な基準金利の引き上げによる副作用を考慮し、漸進的な引き上げが必要だという点も強調した。チャン研究委員は「基準金利を急激に引き上げる場合、家計負債の負担を早く拡大させる一方、実体経済及び資産市場を過度に萎縮させる恐れがある」とし「金利政策の方向に関する円滑な疎通とともに実体経済及び金融環境に対する影響を分析しながら漸進的に引き上げていくのが望ましい」と付け加えた。
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