[日中韓首脳会談企画] 日中韓「成都大同行」・・・東北アジアの朝を開く

  • 未来が開けたのに、消耗戦をする時間など無い…ASEAN・ヨーロッパと同じく「ブロックとして共生」のために手をつなごう

[写真=聯合ニュース]


中国成都で開かれる日中韓3か国の首脳会議に世界の耳目が集まっている。脱冷戦時代に入ってから30年、東北アジアの情勢は未だに不安定だ。戦後70年間以上続いた現状維持(status quo)体制も揺れている。アメリカのリーダーシップは弱化の一途を辿っている。しかし、中国がその代わりとなる準備が出来ているとも言いがたい。アメリカ第一主義(America First)と中国の夢が競合する中、東北アジアがそのどちらかを選ばなければいけなくなる状況は避けるべきだ。日中韓は各自の個別的関係をうまく取りまとめるべきであり、東北アジアの平和と安定対策も模索しないといけない。成都ではこの全てのための建設的な議論が始まることを願う。

日中韓の関係は、歴史、領土、勢力(power)という3つの要素が複雑に絡まり、その解決法が見つからない状態が続いている。病気に対する診断は溢れるほどあるが、これといった処方は無いのと同様だ。根本的な話ではあるが、やはり過度な民族主義に対する警戒が緊要であろう。三国の関係はますます安全保障のジレンマと同じような「民族主義ジレンマ」にのめり込んでいる。習近平(シー・チンピン)の「中国崛起」と安倍晋三の「普通の国」がぶつかり、お互いの民族感情を刺激して強めている。そして、日本植民地時代の強制徴用被害者の賠償問題が日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)の猶予の問題にまで波紋を巻き起こし、反日と嫌韓の対立を生みだした。もちろん過去の歴史に対する日本の誠意のある反省と対策が前提であることは間違いない。「憎しみに未来は無い」(仇恨沒有未來)とは言うが、過去無しでは未来も無い。

長男格の中国は「華夷秩序」への未練を捨てるべきである。周辺の国々を野蛮人(夷)と見なし、中国中心の位階秩序(hieraruchy)体制に編入させようとすると、本当の友好関係は決して築けない。中国は、自由主義の国際政治論の核心である相互依存(interdependence)を圧迫の手段として使っているという批判を留意しておくべきであろう。三国間の相互依存が深くなっていくと普通はその関係がもっと発展するものであるが、中国との関係はその逆で、サード(THAAD)配置をめぐる中韓の葛藤がその代表的な例である。中国は配置不可を要求し、その達成手段として中韓間の相互依存を十分活用した。中国の韓国商品の不買と韓国への旅行禁止で韓国は莫大な被害を受けた。中国は日本に対しても、2010年と2012年に尖閣諸島の領有権問題でレアアース輸出と日本旅行を禁止したことがある。

後発国が先発国を追い越していく過程の影響として戦争発生を例に取った権力移行理論(power transition)は日中韓の関係には当てはまらない理論である。三国は友好的な競争を通じて共存と共栄の道を一緒に進んでいくと筆者は信じている。そのためには問題解決を猶予しておくような留保の知恵も必要であろう。1978年に鄧小平(トンシャオピン)が訪日したが、日本側が尖閣諸島のことを切り出すと、「我々よりもっと知恵がある次の世代に任せよう」と話した。彼は南京虐殺事件に対する日本側の詫びも笑顔で遠慮した。実に大人の言動だった。中国専門家である毛里和子早稲田大学名誉教授は、2015年の論文で、領土問題は留保、再留保できると書いた。今すぐ戦争を起こす気ではなければ、日米同盟も米韓同盟も黙認すべきである。米中葛藤を三国関係の中に持ってくることもしてはいけない。東北アジアの時間は誰の味方なのか。焦る理由は全く無い。

今年開かれた第60回国際数学オリンピック(IMO、7月10日~22日、イギリスのバース)で、中国はアメリカとの共同1位を取った。韓国は2位無しの3位だった。日本は112か国の中で13位を取り、同じく最上位グループに入った。このコンテストは20歳未満の学生を対象にするもので、各国の未来への潜在力レベルが覗ける象徴的な大会だった。日中韓は毎年優秀な結果を出している。交易の規模や国際特許出願など、ほぼ全ての分野で三国は相当前から先頭グループに入っている。地球上のどんな国よりもいい条件を持って未来が明るい三国がお互い争う理由など無い。三国の争いは他の国々に恩恵を与えるだけである。お互いの意思疎通を深め、理解し協力し合って、共同発展の道を共にに進むべきである。それによって超大国-大国-中堅国という共生のガバナンスを築くべきだ。それが三国はもちろん、人類社会の平和と安定にも貢献する道なのである。

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