[キム・サンスンのコラム] 中国共産党の第19回党大会の考察②

[写真=新華社通信 / 筆者=キム・サンスン東アジア平和研究院院長、中国察哈尔学会研究委員 ]


2016年末基準で8944万7000人だった中国共産党の党員は今年で9000万人を超えた。中国共産党はどうして中国大陸に生まれたのだろうか? 習近平総書記は中国共産党の誕生が「時代的要求」によるものと定義した。

◆ 時代的要求によって誕生した中国共産党

習近平は中国の先駆者たちがマルクス・レーニン主義の科学的な真理から当時、中国の問題を解決できる出口を発見し、これがまさに中国共産党が誕生することになる時代的要求と説明した。

近代以降、中国は封建統治と外国勢力の侵入に対抗する人民の激しい闘争運動があり、この時流入されたマルクス・レーニン主義が中国の労働運動と結合したのが1921年大陸に共産党が誕生した歴史的背景であり、時代的要求だということだ。

アヘン(阿片)戦争で内憂外患の暗黒期に陥った中国と民族の復興に向けて多くの志士たちが不屈の意志で闘争したにもかかわらず、中国の現実と人民の悲惨な運命を変えられなかった。しかし、中国共産党の誕生と人民の厳しい闘いを通じて中華民族の偉大な復興という歴史的使命を開始することができたと習近平は評価した。

◆ 中国共産党の中華人民共和国の設立は人民民主主義の実現のためのもの

習近平は中国共産党の誕生の歴史的な意味を次のように説明した。中国共産党が誕生した以降、中国人民が △ 民族の独立 △ 人民の解放 △ 富強な国 △ 人民の幸せのための闘争を模索することにおいて中国共産党が中心となり、中国人民が精神的な側面において受動的立場から主導的な立場に転換できたというのだ。

中華民族の偉大な復興を実現するために、中国人民の頭の中に残っている帝国主義・封建主義・官僚資本主義を必ず無くしてこそ、民族の独立、人民の解放、祖国の統一、社会の安定を実現できることを共産党が深く認識しなければならないという点を習近平国家主席は強調した。

習近平は共産党が団結して人民をリードしていわゆる"農村から都市を包囲して、武力で政権を奪還"する明確な革命路線で新しい人民民主主義革命を完成し、1949年に中華人民共和国を建設して、数千年の封建・独裁政治から人民民主主義への偉大な跳躍を実現したと自評した。人民民主主義の実現に向けて、共産党が中華人民共和国を設立したということだ。

◆ 先進社会制度樹立のための中国共産党の偉大な5大闘争方向の提示

習近平は中華民族の偉大な復興に向けて、共産党がさらに深く認識しなければならない点で中国に合致することができる先進社会制度の樹立を強調した。つまり、共産党は人民をリードして △ 社会主義革命完成 △ 社会主義基本制度の確立 △ 社会主義建設推進 △ 中華民族の歴史以来、最も広範囲で深遠な社会変革完成 △ 根本的な政治条件と制度の基礎の安定化 △ 中華民族の命運転換で繁栄と富強の偉大な跳躍を実現しなければならないということだ。

偉大な夢を実現するためには必ずしも偉大なる闘争を進行しなければならないとし、習近平は五つのいわゆる「偉大なる闘争方向」を提示した。第一に、すべての党員はますます自発的に党の指示と社会主義制度を固守しなければならなく、党の指示や社会主義制度を弱体化、歪曲、または否定してはならない。

第二に、もっと自発的に人民の利益を保護し、人民の利益に害を掛けたり群衆行為を離脱してはならない。第三に、もっと自発的に改革や創造の時代的流れに献身しなければならず、すべての慢性的な問題を撤廃しなければならない。

第四に、もっと自発的に祖国の主権安保、発展利益を守護しなければならず、祖国の分裂や民族団結と社会の調和の取れた安定を害する行為があってはならない。第五に、もっと自発的に各種のリスクに対応しなければならず、すべての政治・経済・文化・社会などの領域と自然災害から発生する困難さと挑戦を勝ち抜かなければならない。

◆ 共産党のリードのない民族復興は必然的な空想に過ぎない

習近平は歴史がすでに証明しており、今後も継続して証明するとし、"中国共産党のリードがなければ、民族復興は必然的な空想に過ぎない"と強調した。また、中国共産党はずっと時代の先鋒であり、民族の中枢として継続してマルクス主義政権党に必ず自らをさらに鍛えなければならないことを指摘した。

習近平は"偉大な夢を実現するためには偉大なプロジェクトの建設が必須"として、新しい党建設という偉大なプロジェクトに六つのことが必要だと強調した。

第一に、すべての党員はますます自らの党性と原則を固守しなければならない。第二に、勇敢に問題を直視して、骨身を削って毒を治療できなければならない。第三に、党の進歩と純粋さに害を及ぼす要素を除去しなければならない。第四に、党の健康な組織を蚕食するすべての毒素を除去しなければならない。第五に、党の政治指導力、思想の指導力、群衆組織力、社会の訴える力を絶えず強化しなければならない。第六、党の永遠の生命力と強力な戦闘力を確保しなければならない。

◆ 中国の特色ある社会主義は党と人民の実践的成果

習近平は偉大な夢を実現するため、偉大な事業の推進が必要であることを力説した。習近平が言及した偉大な事業とは中国の特色ある社会主義を言うが、これは党と人民が千辛万苦の努力と莫大な見返りに得た成果だということだ。

習近平は中国の特色ある社会主義に対して次のように説明した。第一、中国の特色ある社会主義の路線は社会主義の現代化の実現と人民の美しい生活を創造する必須的な路線である。第二、中国の特色ある社会主義の理論体系は、党と人民が中華民族の偉大な復興を実現するように指導する正確な理論だ。

第三、中国の特色ある社会主義制度は現在の中国が発展する根本的な制度を保障する。第四に、中国特色社会主義の文化は全ての党員と全国の各民族と人民を督励して力強く前進することにする強力な精神的な力なのである。

習近平は △ 偉大なる闘争 △ 偉大なプロジェクト △ 偉大な事業 △ 偉大な夢が緊密に繋がっていて相互交流と相互作用をするが、その中で決定的な役割をするのが党が建設しようとする新しくて偉大なプロジェクトだと強調した。偉大なプロジェクトを推進するためには、偉大なる闘争、偉大な事業、偉大な夢の実践を結合し、進行しなければならないということだ。

急変する世界情勢で常に時代の先頭に立つことができる、国内外の各種危険と経験に対応する歴史的流れにおいて全国人民の中枢になることができるべきで、中国の特色ある社会主義を維持して発展させる歴史的過程でも、いつも強硬にリードする核心にならないといけないというのだ。

新時代中国の特色ある社会主義の建設は、2期目の習近平政権において共産党の歴史的使命に設定された。体制と文化が異なる私たちが理解できる部分は確かに限界が存在するが、それにもかかわらず、中国共産党の変化が中国の変化という点で、筆者の今回の考察の試みは意味があるのではないか? 理解しようとする試みと同意しないというのは明確に独立的だ。したがって、理解しようとする試みは必要だ。
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