[チョ・ジングのコラム] 急変する韓半島情勢・・・韓米日三角安保体制はどこへ?

[写真・執筆=慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のチョ・ジング教授]


新年に入って、韓半島(朝鮮半島)の周辺情勢が緊迫に展開している。2021年12月27日から5日間開かれた北朝鮮の労働党中央委全員会議で金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、21年は厳しい難関の中で社会主義建設の全面的発展に向けた変化の序幕を開いた「偉大な勝利の年」と評価した。しかし、対北朝鮮制裁の継続や新型コロナウイルス感染症(コロナ19)による国境封鎖と貿易中断で北朝鮮が公開した経済部門の実績は成果といえるほどのものがなかった。

一方、全員会議で核とミサイルという言葉は使わなかったが、「国家防衛力の強化を滞りなく進進」し、「現代戦にふさわしい威力のある戦闘技術機材の再開発生産を強く促す」と強調していた。また、1月6日に北朝鮮は前日の極超音速ミサイルの試験発射に成功したと誇示するかのように発表した。北朝鮮は11日にも新年に入って2度目の発射体を発射し、緊張感を高めた。

北朝鮮は昨年9月28日、極超音速ミサイルの試験発射の事実を初めて発表した。米中ロが開発競争を繰り広げている極超音速ミサイルは、現存するミサイル防御体制では迎撃が難しく、ゲームチェンジャーと呼ばれる。韓国国防部は5日、発射された北朝鮮ミサイルの速度がマッハ6.0、最高高度が50kmだったことを認めながらも、技術的には極超音速ミサイルの水準に達していないと評価を切り下げた。

今年1月7日に開かれた日米安全保障協議会(2+2)では極超音速技術に対抗するための協力を含め、人工知能(AI)武器と宇宙分野で協力を拡大する協定を締結した。日米2+2が昨年3月に続き10カ月ぶりに再び開催されたのも異例だったが、共同声明は日米両国は「変化する安全保障上の課題」に対応するため「戦略を完全に統合し、共に目標の優先順位を決めることで、絶えず同盟を現代化し共同能力を強化するという決議」を示す「今後の日米同盟の方向性」がよく表れていた。

日米2+2以降、林芳正外相は記者会見で「変化する地域の戦略環境に関する認識を調整するために踏み込んだ議論」ができたと評価したが、同盟として日米両国が中国に対抗するという意志をより明確にしたという点は注目する必要がある。

具体的に共同声明は「規範に基づいた秩序を損なう現在進行中の中国の努力が地域と世界に対する政治的、経済的、軍事的、技術的課題を提起している」と懸念を表明した。さらに昨年3月に開催された日米2+2では、地域の安定を脅かす中国の行動に反対するということを確認するのにとどまったが、今回は「地域の安定を害する行動を抑止し、必要なら対処するために協力することを決議」した。

岸信夫防衛相は、敵基地攻撃能力を保有するかどうかを念頭に置きながら、日本の防衛力強化方針を米国側に伝えたが、共同声明には日本が「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家防衛に必要なすべての選択肢を検討する決意を表明」したことが盛り込まれた。

共同声明で両国は「緊急事態に関する共同計画作業に対する確固たる進展を歓迎する」と明らかにした。林外相と岸防衛相は「緊急事態共同計画」の対象が何なのか具体的に言及しなかったが、中国が武力を行使してでも祖国の完全な統一を実現するという台湾問題が米中間の最大懸案の一つということを考慮すれば、日米両国は台湾海峡の平和と安定維持のための台湾海峡有事の際の協力案をより具体化していくだろう。

また、共同声明で日米はインド・太平洋地域と世界の安全と平和、繁栄に不可欠な韓日米3国の二国間及び三国間協力の重要性を強調した。日米両国と韓国の間に中国と北朝鮮に対する認識の差があるということに照らせば、韓日米3カ国関係そのものはもちろん、3カ国間協力の程度と様相にも大きな変化が現れる可能性もある。

特に、日本が自国防衛のためだけでなく、「地域の平和と安定に貢献するために防衛力を抜本的に強化」することに対して米国は歓迎の意を表明したが、過去の歴史問題で日本と対立している韓国は、国民感情から日本の防衛力増強を肯定的に評価することはできないだろう。

韓日間の競争意識が深まる中、日本の2021年防衛白書は初めて「韓国の軍備増強と国防予算」という解説コーナーを設け、2000年以降22年連続して韓国の国防費が増加していると指摘した。特に、購買力評価(PPP)基準で、韓国の1人当たりのGDPが日本を初めて上回った18年のPPPで換算した韓国の国防費が日本の防衛費を上回ったとし、韓国の国防中期計画どおり年平均6.1%ずつ増加すれば、25年の日本との格差は1.5倍にさらに広がるだろうと注意を喚起した。

2021年12月24日の閣議で決定された22年の防衛費は5兆4千億円を超え、歴代最多(10年連続増加)を記録した。さらに、これより先に成立した21年度補正予算と合わせると、防衛費は初めて6兆円を超え、防衛費の上限線で維持してきたGDP比1%を突破することになる。10月末に行われた衆院選で、岸田政権はGDP比2%以上の防衛費増額を公約に掲げたが、近い将来に日本が防衛費を2倍に増やすことは非常に非現実的であり、域内軍備競争を招く恐れもある。

韓国の対北政策を日米両国が支持した時、韓日米3カ国協力は円滑に作動しており、米国にとって韓半島有事は在韓米軍と在日米軍、さらには日本の協力を前提としたものだった。歴史問題で悪化した韓日関係が経済と安保分野に拡大した状況が続けば、国防(防衛)費を増やして国防(防衛)力を強化している韓日両国が、互いを自国の安保に対する「懸念」ないし「脅威」と認識する可能性も完全に排除できない。そうなれば、共通の同盟国である米国を媒介として、過去数十年にわたって蓄積してきた形になるだろう。

中国は韓国の最大貿易国だ。同盟と言っても、米国が自国の国益に傷をつけてまで、韓国のために中国との軍事的衝突に耐えることはないだろう。経済的相互依存度の高い中国との協力は韓国にとって重要だが、権威主義的な色彩を強化している中国の高圧的な行動と態度は、韓国の国益と両立しにくい。

もはや大統領選挙は2ヵ月も残っていない。われわれの生存と繁栄や平和を確保する戦略とビジョンを提示する候補に僕の大切な一票を行使したい。
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