[ユン・ウォンソクのコラム] 米中葛藤、静かなコンティンジェンシープランが切実である

[写真・執筆=ユン・ウォンソク淑明女子大学経営学部特任教授]

米国の桂冠詩人であるロバート・プロストの「選ばれざる道」(The road not taken)という詩が突然浮かび上がる。「黄色い森の中で道が二つに分かれていた。残念だが両方の道を進むわけにはいかない、、、、そして私は人があまり通っていない道を選んだ。そのためにどんなに大きな違いができたことか」(省略)。

世界の2強(G2)である米国と中国の貿易摩擦が技術覇権戦争(?)に拡散されている。20世紀に発生した2回の世界大戦当時、二つに分かれたかのように全世界が並びことを強要されている。日本、イギリス、台湾は米国の要求に同調しており、韓国にも選択の時間が近づいている。勝者と敗者はどのように分かれ、果たして韓国に正しい選択は何か。最近訪韓した米国の通商専門家は、米中貿易交渉の過程で両国間の信頼が崩れ、今後G2経済のデカップリング(decoupling)が加速するだろうと伝えた。米国が5G、半導体など先端産業はもちろん、国防競争力に影響を与える活性化技術(enabling technology)に対して輸出統制力をさらに強化するのが代表的な証拠だという説明だ。米中間の貿易交渉の結果物がどのような内容であれ、2020年にある米国の大統領選挙に敏感な影響を与える可能性があるため、短期的妥結を期待しづらいというのが国際通商専門家たちの意見だ。

米中貿易紛争で世界貿易量が急速に萎縮し、米国と中国への依存度が高い韓国に与える衝撃は相当だ。5月現在、輸出もすでに前年同期比11.7%が減り、6カ月連続マイナスを記録している。地域別でも対中輸出が16.9%も大幅に減少しており、対米輸出は4.4%が減少した。韓国経済を食べさせる輸出が揺らいで経済全体に不安が募っている。国策研究機関であるKDIも経済成長率見通しを従来の2.6%から2.4%へ再び下げた。

本当の問題は、米中貿易交渉が劇的に妥結されたとしても以前のように輸出が回復するかどうかだ。米国の通商専門家は断固として不可能だと答える。米中間の交渉が妥結しても、米国は依然として中国を牽制する新しいシステムを要求し、世界的な反自由貿易基調によって世界経済の腐食(corrosion of the global economy)が既に進展しているということだ。

なら、韓国はどんな選択をしなければならず、どんな道を進まなければならないのか?最近の米中貿易葛藤は、単に貿易収支や知的財産権制度の改善などの問題を超えている。根本的に全世界の未来覇権に対する見えないヘゲモニー競争が敷かれている。特に貿易と技術はまさに国家安全保障であり、未来の覇権を決定する重要な競争力であるだけに、安保的観点と歴史的観点から眺める必要がある。

歴史的に見ると、中国が強い時期には韓半島は非常に疲れていた。漢の時代に漢四郡が設置され、唐の時代に高句麗が滅びた。元の時代が強いときは高麗が大変で、清が立ち上がるときには丙子胡乱を経験した。中国が南北朝に分かれるとき、そして元と明の政権交代期に私たちは楽だったという事実だ。近代に入ってから中国が共産化され、文化大革命の内紛を経験当時、韓国にチャンスが訪れた。大韓民国の経済復興に大きく寄与した人物が「毛沢東(中国の発展を防いだため)」という話もある。中国が改革開放を通じてG2に浮上しながら我々は徐々に難しくなり、代表的な事例がまさにサード事態だ。中国の浮上がひたすらプラスではないという点を歴史は教えてくれる。

だからといって、韓国輸出の4分の1以上を占める中国を離れても難しい。ただ、一つ留意すべき部分は、米国が中国を強く制裁する分野である5G分野で、韓国技術企業の株価が上がっているという点だ。実際、最近、米国でスマートシティネットワークを構築する米国のバイヤーが韓国を訪れ、今後中国産の使用が不可能なため、韓国企業とパートナーになりたいという意思を伝えた。米中対立で先端技術分野では韓国の競争力か中国を抜いて米国市場を確保することができるチャンスが来たということだ。

もう一つの変化は、中国の地方政府人士が韓国を頻繁に訪れているという点だ。中国の立場では、韓国との関係改善が必要であるという反証として解釈される。韓国はこのような変化に機敏かつ充実した様々なコンティンジェンシープランが急がれる。

こうしたプランには、第一に米国の対中牽制を綿密に分析して韓国企業が高まるリスクに対応し、新たなグローバル戦略を樹立する契機にしなければならない。第二に、現在、中国に輸出されている40%以上が加工貿易である構造を改善しなければならない。韓国の中間財として中国で単純加工され、米国など第3国への再輸出はますます競争力を失っている。したがって、中国の内需市場に参入したり、一部は韓国へのUターンやベトナムなど第3国に新たなバリューチェーンを構築しなければならないだろう。最後に、米国などの先進市場では、中国を替わりにする技術と革新的な製品で市場を先取りできる現地化戦略を早めに構築しなければならない。

筆者が何より指摘したい事実は、米中の技術覇権戦争が単に経済問題で終わることではないという点だ。安保次元の戦争であり、同時に自由民主主義と社会主義の理念と価値次元の戦争という性格も持つ。だとして露骨に「韓国は誰の味方だ」と線を引く必要は全くない。国際関係では永遠な敵もも永遠の友好国もないからだ。「米中の技術覇権戦争」について、政府や企業レベルで過度に対応するのは国益を損なうことだ。メディアもあえてどちらかの味方になる報道を控える必要がある。内実を期する静かな政治外交、経済外交能力が切実に要求される時期だ。

 
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