[キム・ヨンヒのコラム]韓国メディア業界、ESGブームに乗ろう

[写真・執筆=キム·ヨンヒ崇実大学(スンシル)教授]


最近話題になった単語はコロナだ。何よりも暮らしの姿と質(Quality)が変わった。日常という単語を使いにくい時期だ。企業も大きく変わっている。コロナ以後、企業の持続可能性に対する質問が提起されると、企業らも猛烈な勢いでその答えを探している。

多くの専門家は環境や社会、支配構造(ガバナンス)の略であるESGをその解答として提案している。ESGとは、国連責任投資原則(UN PRI)から始まった概念であり、ESGを基準に、企業の責任や投資を決めようというものだ。ESG は、環境、社会、ガバナンスの理想的な変化を進め、その変化を企業の意思決定に内在化することにその目的を持つ。企業が財務的観点を超え、環境保護や再建、発展した労働条件、透明な意思決定、共栄協力、同伴成長のような非財務的要素を基に、持続可能な経営を議論すべきだという意味だ。

ESG関連の投資規模も急速に成長している。グローバル持続可能投資連合とドイツ銀行(Deutsche Bank)は、2014年に21兆ドル水準だったESG投資資産の規模が2030年には130兆ドルに大きく拡大するだろう予想した。このような巨大資本を確保するため、米国や中国、英国など、主要金融先進諸国は激しく競争している。米国はバイデン大統領時代を迎え、2050年の炭素中立(カーボンニュートラル)を達成するため、今後10年間、1兆7000億ドル(約1900兆ウォン)を投資する計画だと発表した。これに対抗して中国も2060年のカーボンニュートラル達成に向け、30年間で100兆元(約1京7兆ウォン)を投資すると発表した。韓国も2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、2025年までに73兆4000億ウォンを投資する計画だ。

災害と災害が日常化している状況では、環境変化と人権、共生などをこれ以上哲学的な議論だけで片付けることは難しくなった。いまや、世界各国の政府と金融会社、年金基金、投資家らも天文学的な資金を投資すると乗り出している。世界最高水準の資産運用会社、年金基金などがこれからはESG評価点数の低い企業を投資ポートフォリオから除外するという計画を発表した。実際、韓国の国内大企業を含め、ESG評価が良くない企業に北欧のある年金基金が投資資産を撤収したり、投資計画を取り消した。韓国のも2030年までにすべての上場会社がESG評価の結果を公開しなければならないという方針を取る予定だ。経営にESGを内在化することは、もはや選択ではなく生存に欠かせない領域だ。

韓国のコンテンツ業界ではESGを成功裏に導入したBP(Best Practice・模範経営事例)は見当たらない。大手企業系の一部のコンテンツ事業者がESGへの投資を増やす一方、経営にもESGの観点を反映するために不断の努力をしている。一方、大手企業の系列ではないフラットフォーム事業者らは、ESGの概念どころか、関連部署すら備えていない状況だ。社会貢献や倫理経営方針などにESGを一部反映しているだけだ。

これからは、ESG経営無しにはメディア企業各社が海外投資を誘致したり、コンテンツを輸出する際にも制約が生じかねない。ネットフリックスやディズニーのようなグローバルメディア企業は、以前からすでにESGやこれと同様の社会貢献活動を増やしてきた。韓国のメディア業界も一日も早くESG戦略を講じなければならない。

ESG 戦略は長期的な観点から立てるべきであることを念頭に置かなければならない。単に投資誘致や輸出のような成果のためではなく、企業の成長潜在力を育てるためのESG戦略を講じるべきだ。ESGの 目的自体が、すべての利害関係者の持続可能性にあるためだ。一日も早くメディア業界にもESGブームが起きることを期待する。
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