[写真＝聯合ニュース（10日午後、旅行客がほとんどいない仁川国際空港第１ターミナルの出国ロビーに設置された期日前投票所に関連情報が表示されている）]
新型コロナウイルス感染病（コロナ19）で最も大きな被害を受けた航空業界の生態系が崩れている。
グローバル航空業界の「5月の危機説」が提起されたなか、これより１カ月早く韓国内の航空業界の崩壊が始まったわけだ。サード（THAAD・高高度ミサイル防衛システム）と日本の経済挑発などに続き、真っ先にコロナ19被害の当事者となり、予定された手順という分析だ。
◆イースターポートは廃業手続きへ…「200人余りの役職員、路頭に放り出される危機」
12日、航空業界によると、地上操業会社のイースターポートが廃業手続きを踏むむものとみられる。
先立って親会社であるイースター航空が、最近、イースターポートの全支店と契約を解約した。職員が200人に達するイースターポートは、イースター航空の旅客操業だけを担当している。
イースター航空を買収することにした済州航空が子会社まで引き受けるという負担が大きい状況であるだけに、整理に入ったとみられる。特に済州航空は、すでに自社の地上操業会社である「ジャス（JAS）」を保有している状態だ。300人を超える規模の会社だ。
イースターポートのある職員は、「もらっていない給与の話を持ち出すところか、一夜で路頭に放り出されることになった」とし、「厳しい状況を一緒に乗り越えようと、お互いに励まし合ったのに傷心した」と訴えた。
イースター航空も構造調整（リストラ）を控えている。一般職など全職員1600人を対象に22％水準の300人前後を構造調整する。1〜2年目の収拾副機長80人は、すでに1日付で契約解除を通知された状態だ。
イースター航空は先月24日からすべての国内・国際線の運航を停止した。保有していた航空機23台のうち2台を返却し、8台もリース契約を終了する。役職員の給与も2月には40％だけを支給し、3月にはまったく払われていない。
イースター航空のような格安航空会社（LCC）だけでなく、韓国内の1、2位の大手航空会社（FSC）である大韓航空とアシアナ航空も同じ状況だ。
大韓航空は今月16日から10月15日までの6ヶ月間、職員休業に入る。部署別に必須の人材を除く余裕人員がすべて休業をすることを原則としている。対象が全体人員の70％を超えるものと推定される。
さらに、今月から経営状態が正常化するまで副社長級以上は月給の50％、専務級は40％、常務級は30％を返却することにした。大韓航空は、コロナ19の影響で国際線運航回数が通常に比べ90％ほど減少しており、現在保有旅客機145台のうち100台が運航を中止した状態だ。
アシアナ航空の赤字と負債規模は、買収手続きを進めているHDC現代産業開発が手に負えない水準に膨らんでいる。実際、現産はひとまず債権団である産業銀行と輸出入銀行の貸付金満期償還延長、金利引き下げなどを要請して収拾に乗り出した。アシアナ航空は、今年第1四半期だけで3000億ウォン以上の赤字を出すものと予想される。
最近、大韓航空のウ・ギホン社長は記者たちと会って、「現在、いくら資金が多い航空会社であっても、6ヶ月間止まっていると、現金が回らない」とし、「リボルビング払い（借り換え）が難しく、政府に信用補強を要求したが、まだ政府や銀行でパラダイムが決まっていないようだ」と指摘した。
◆旅行・宿泊など関連産業も大きな打撃を受け…リストラ説も
航空業界が揺れると、後方産業といえる関連産業の宿泊・旅行業界も大きな打撃を受けている。韓国ホテル業協会によると、コロナ19による予約急減でホテル業界が受けた被害は3月だけで5800億ウォンに達する。
最近、旅行業界の韓国内1位であるハナツアーなども大規模なリストラ説が出ており、危険な状態だ。コロナ19事態が下半期まで続く場合、回復できない状況になるだろうと業界はみている。
韓国旅行業協会（KATA）の旅行情報センター資料によると、韓国でコロナ19の感染者が初めて発生した1月20日から今月10日まで、各地方自治体や自治区に廃業届を出した国内・国外一般の旅行会社は、192ヵ所だ。毎日2ヵ所以上が廃業したわけだ。
韓国航空協会のチョ・チュンスン副会長は「先月、国内航空業界の国際線旅客は平年より96％、国内線旅客は60％まで落ち、事実上、シャットダウン状態」とし、「会社ではなく、業界が生き残るための対策が出なければならない」と助言した。
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