半導体株は基準金利の引き下げで恩恵を受ける株として珍しいかもしれない。大体、利益が得られる銘柄として証券株や配当株を挙げてきた。証券業界では全世界的な通貨緩和が過去にも半導体株を復活させたと助言する。
◆ 早くも半導体・証券を買い入れた外国人
外国人は基準金利を下げる前にすでに半導体株と証券株を買い付けた。21日、韓国取引所によると、外国人は7月に入って19日までサムスン電子とSKハイニックスの株式をそれぞれ8934億ウォンと2684億ウォン、計1兆1618億ウォン買い越した。逆に個人は両方の株を1兆1514億ウォン売り越した。機関は事実上、見守るだけだった。買い越し額が240億ウォン余りにとどまった。
外国人は同期間、ビッグ3証券株である未来アセット大宇とサムスン証券、NH投資証券にもラブコールを送った。未来アセット大宇、サムスン証券、NH投資証券をそれぞれ168億ウォンと243億ウォン、261億ウォン、合わせて672億ウォンを買い入れた。しかし、個人や機関は3つの株をそれぞれ528億ウォンと143億ウォン売りさばいた。
コスピ半導体業種指数と証券業種指数は、今年に入ってそれぞれ22%と19%ほど上がった。同じく基準金利引き下げの恩恵を受ける株として挙げられる配当株と優先株も急騰している。コスピ優先株指数と高配当50指数はそれぞれ8%と5%ほど上昇した。これに比べて、コスピ収益率は3%にはるかに及ばなかった。
基準金利の引き下げは市場で予想されてきたイベントだが、外国人だけがひと足早く動いた。サムスン証券のムン・ドンヨル研究員は「米中貿易紛争に日本の輸出規制まで重なった状況」とし、「金利の引き下げが株式市場を支えるだろう」と述べた。
◆「今回の金利引き下げは2012年に似ている」
近頃全世界的な流れである通貨緩和は2012年にも現われた。米国発の金融危機とユーロ圏の財政危機を抑えようと主要国の中央銀行が協力に乗り出したのだ。
韓国銀行も2012年7月に基準金利を引き下げた。コスピはあれから1ヵ月で10%近く上昇した。半導体株は同期間12%以上上昇した。半年後には半導体株がコスピ収益率を15%ポイントほど上回った。韓国銀行は2012年7月から翌年5月まで3回に渡って基準金利を下げた。
ムン・ドンヨル研究員は「当時、金融政策の期待感が半導体株高につながった」とし、「今も輸出不振が続いており、主要国の中央銀行が協力に乗り出しているという点で似たような状況だ」と伝えた。
証券株は伝統的な金利引き下げの恩恵を受ける。すぐ株式市場に入って流動性が増える可能性がある。債券関連の評価利益も良くなる。新韓金融投資のイム・ヒヨン研究員は「6大証券会社が上半期に収めた支配株主の純利益予想は、1年前より27%ほど多い2兆4000億ウォン」とし、「株価指数が横ばいしたものの、投資銀行(IB)部門で収益源を広げた」と述べた。
配当株の魅力は金利を引き下げるとき、さらに大きくなる。市中金利プラス(+)アルファ(α)に対する需要が増えるためだ。このような時こそ、普通株より配当を多く与える優先株を注視なければならない。新韓金融投資のキム・サンホ研究員は「コスピ配当利回りの平均値は2.2%」とし、「優先株の配当利回りは、それよりもはるかに高い2.6%」と伝えた。
◆ 基準金利がさらに下がる可能性に重き
基準金利がさらに1、2回下がるだろうという見通しも多い。韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も先日、「基準金利を引き下げて政策余力がそれだけ減ったものの、、経済状況に応じて対応する余力を持っている」と述べた。
米中貿易紛争だけでなく、韓国に輸出する半導体材料を制限する日本も景気に負担を与えている。ノー・ディールBrexit(ブレキシット・英国が何の合議もなく欧州連合から脱退)に対する懸念も消えなかった。
イーベスト投資証券のウ・ヒェヨン研究員は「景気回復を邪魔する障害物が多い」とし、「半導体に大きく依存する韓国は、日本発の悪材料を相殺しようと追加の通貨緩和に乗り出す可能性がある」と述べた。
日本の野村證券も似たような立場だった。野村證券のエコノミスト、ノギモリミノル氏は「韓銀が10月に基準金利をもう一度下げる可能性が高い」と伝えた。彼は「韓国銀行は今回の基準金利を下げながら過去よりもハト派(通話緩和)的な観点を示した」と付け加えた。
当初、基準金利引のき下げが悪い景気と企業業績から始まったという点は念頭におくべきだ。キム・サンホ研究員は「今年の上場法人の純利益は、1年前より23%ほど減るだろう」とし、「悪い実績は配当の減少につながる可能性がある」と述べた。
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