「日常の貨幣」となった5万ウォン札・・・「地下経済の主犯」という汚名も

  • 市中5万ウォン札98.3兆ウォン・・・全体流通紙幣のうち、約85%を占め

[写真=韓国造幣公社]


5万ウォン札が発行10年ぶりに「日常の貨幣」として定着した。市中で100万ウォンのうち約85万ウォンが5万ウォン札で流通されるほどだ。しかし、財産隠匿・賄賂・脱税などの用途にも使われ、「地下経済の主犯」という汚名ではまだ抜け出せていない。

19日、韓国銀行によると、2009年6月23日発行し始めた5万ウォン札の流通額は、先月基準98兆3000億ウォンだ。1000・5000・1万ウォン札など全体流通紙幣のうち84.6%に達する数値だ。市中に100万ウォンが流通されているなら、84万6000ウォンが5万ウォン札で出回っているということだ。

枚数基準では19億7000万枚が流通され、全体の36.9%を占める。金額や枚数ともに銀行圏で最も高い割合だ。5万ウォン札が発行10年ぶりに最も一般的に使用される貨幣として位置づけられたわけだ。

実際に5万ウォン札の使用率は増加傾向にある。韓国銀行が今年4月に発表した「2018年の経済主体別現金使用形態調査結果」を見ると、昨年10世帯のうち9世帯(89.2%)が5万ウォン札を使用しており、月平均使用頻度は4.6回だった。3年前、国内の全体世帯のうち84.5%が月4.3回を利用したのと比較すると、5万ウォン札の使用世帯と頻度はすべて増加した。

特に5万ウォン札は1万ウォン札に劣らず取引用として使われている。国民が保有している現金のうち、取引目的で5万ウォン札を持った割合は43.5%であり、1万ウォン札(45.5%)とほぼ同じ水準だ。

このように5万ウォン札は日常の貨幣として定着したが、「地下経済」に流れ込むのではないかという批判からはまだ自由ではない。韓国銀行に戻ってきた5万ウォン札の割合が半分に過ぎないためだ。

先月末基準、5万ウォン札の累積還収率(回収率)は50%にとどまった。還収率は市中に供給された発行額比韓国銀行に戻ってきた還収額の割合だ。通常市販の解かれたお金は、家計から企業、銀行を経て再び韓国銀行に還収される。

つまり、過去10年間196兆7000億ウォンが発行されたが、このうち半分の行方を知らないということだ。累積返還率が99%に達する1万ウォン札と対比される。

実際5万ウォン札は「地下経済」で主に使われる。先月摘発された高額の脱税者の中には家の中の流し台に5万ウォン札で5億ウォンを隠しててが発覚された。他にも各種賄賂や裏金造成などの不正腐敗事件の時も5万ウォン札が悪用されている場合が多い。

特に、一部では最近議論になったリデノミネーション(通貨単位変更)を高額資産家たちが反対する理由が、貨幣交換で地下経済の資金を陽性化させなければならないためという主張も出ている。1000ウォンを1ウォンに貨幣単位を下げると、旧券を新券に交換しなければならず、返還されていない5万ウォン札が日向に出るという主張だ。

ただ、地下経済の陽性化のためにリデノミネーションを推進するのはお粗末だというのが概ねの見方だ。

ソウル市立大のユン・チャンヒョン教授は「5万ウォン札の還収率がまだ低いのは事実だが、徐々に上がっている」とし、「地下経済はどの国でも存在する。5万ウォン札の誕生で市民の取引の利便性が高まったことにもっと注目しなければならない」と述べた。
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