5G時代、専用車路が必要・・・「ネットワークスライシング」論争

  • 周波数帯域拡大・サービス多様化でカスタムネットワーク必要性の台頭

  • 第2次標準化の確立・技術の安定化・課金体系の議論など、商用化に「一難去ってまた一難 」

[写真=gettyimagesbank]


5G(5世代移動通信)時代に続々と登場している新しいサービスを円滑に提供するための技術である「ネットワークスライシング(Network Slicing)」の導入について賛否論争が起きている。ネットワークスライシングは、周波数を分けて使う技術だが、自律走行・遠隔診療などサービスごとに周波数を割って使うと円滑なサービスの提供が可能となる。

30日、通信業界によると、移動通信各社は自律走行のような5Gカスタムサービスを円滑に提供するために、ネットワークスライシングに関する規制を解くことを要求している。一方、市民団体はネットワークスライシングで大企業は恩恵を受けるだろうが、一般消費者に対する差別につながる可能性があると懸念を示している。

ネットワークスライシングは、5Gの商用化によって新たに登場した技術である。5Gは、周波数帯域が4Gに比べて拡大されたおかげで、伝送速度が20倍速くなった。低遅延と連結性も10倍以上に増加し、一つのネットワークを複数の専用ネットワークに分けて使うのが技術的に可能になった。

移動通信各社は、ネットワークを専用車のように自律走行用とスマートファクトリー用などに分けて使うことを主張している。5G時代の中核産業とされる自律走行や遠隔診療は、通信に途切れがないときに安全なサービスを提供することができるが、それぞれの用途に最適化された通信環境を提供しようという話だ。

西江大学のキム・ヨンハク技術経営大学院教授は、「ネットワークスライシングは5Gネットワ​​ーク容量が豊かになっただけに、特定の事業者に仮想の空間を配布して自分のもののように使うことができる技術だが、B2C事業中心であった通信業をB2Bまで拡散させるきっかけになるだろう」と述べた。

中小企業とスタートアップはネットワークスライシングに専用車路ができる場合、高い費用を支払って網を使用することになるかもしれないという点を憂慮する。また、専用車路を渡したら、残りの車路に一般車が集まってデータの品質が落ちる可能性がるという主張も提起されている。

しかし、ネットワークスライシングを本格的に導入するには、 越えなければならないハードルが多い。

まず、現在商用化された5Gネットワ​​ークは、4Gのコアネットワークを使用するため、ネットワークスライシング技術を搭載することができない。ネットワークスライスの必要性と概念はある程度共有されたが、これをどのように定義して標準化するかについての議論が行われなければならない。無線通信の国際標準化団体3GPPは、2016年12月にネットワークスライシングの基本構造と動作の手続きについて合意は引き出したが、第2次標準定義は今年末に行われるものとみられる。

イ・スンイクETRI研究員は、5Gだけの独立したネットワークを使用するスタンドアロン(SA)装備を導入すれば、スライシング技術が早期に適用されるものと予想した。

ネットワークスライシングを通じてサービスごとに異なる専用車路(周波数)が提供される場合、どのような規制を適用するかも課題だ。技術が公開されていなかったため、関連議論も見送られるしかないというのが業界関係者たちの説明だ。

政府と事業者、市民団体などの利害関係者が5G通信政策協議会を構成して関連議論を進めたが、明確に結論を下すことができなかった。科学技術情報通信部は、継続的に議論するという立場だ。

参与連帯のキム・ジュホ民生チーム長は「通信会社はネットワークスライシングを通じてどのようなサービスを提供するか、課金方式はどのようにするかなどを説明できずにいる」とし、「公共性が担保される対策を作ってこそ、関連規制について議論できるだろう」と述べた。
 

[写真=亜洲経済]




 
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