2026. 10. 23 (金)

富士フィルム、iPS細胞でアルツハイマー治療薬の研究開始

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と富士フイルムは27日、患者由来のiPS細胞を用いたアルツハイマー型認知症治療薬の共同研究を3月から開始したと発表した。iPS細胞で治療薬の有効性を予測し、生体内での生物学的な変化を把握するうえで指標となるバイオマーカーの特定に役立てる。今回の新たな研究手法により、認知症の中でも発症率が高く根本的な治療法がないアルツハイマー病の創薬開発の加速につなげる狙いだ。

共同研究する治療薬は「T―817MA」。富士フイルムがグループ会社の富山化学工業での研究で、神経細胞の保護効果と神経突起の伸展を促進する効果をアルツハイマー病の病態動物モデルで確かめている。

一方、CiRAは井上治久准教授らの研究グループが患者由来のiPS細胞から分化させた神経細胞で、アルツハイマー病時のたんぱく質のアミロイドベータ(Aβ)の分泌などを調べ、同病患者の原因遺伝子に差があることを2013年2月、米科学誌セル・ステムセルに掲載している。

富士フイルムとCiRAは、アルツハイマー病患者由来のiPS細胞から分化誘導させた神経細胞で「T―817MA」の有効性を確かめ、臨床試験(治験)の方法確立を目指す。その際、富士フイルムのヒト型コラーゲン「リコンビナントペプチド(RCP)」を細胞増殖の足場にする。今回の共同研究は患者由来のiPS細胞の“培養皿中のデータ”をヒトの臨床試験データに直接結びつけて解析していることが特徴。

(亜洲経済オンライン)
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