[忠正路コラム] ワールドカップ予選突破の経済効果 / 日 월드컵 예선통과 그 경제효과

   
太刀川正樹‐日刊現代記者‐亜洲経済編集委員
 
2010年ワールドカップで予選落ちという下馬評を裏切って(?)見事決勝リーグに進出した日本。予選リーグ第一回戦でカメルーンに1対0で快勝してから日本のマスコミやファンの反応が180度変わってきた。日本の世論の多くは「どうせ日本は一度も勝てるはずはない」と考えていた。

ところがカメルーンに続き、優勝候補のオランダに敗れたにしても1対0という最低失点という善戦で、テレビマスコミは大騒ぎだ。相手国オランダの風俗、文化などを紹介したり、入念なライバル研究に大騒ぎだった。2002年の日韓共同開催、2006年ドイツ大会では実施しなかった「ワールドカップの日本に及ぼす経済効果」に関しても大手広告代理店の電通総研は「日本のカメルーン勝利、予選リーグ突破の経済効果は約3000億円」と算出している。

もし決勝リーグでパラグアイに勝ち8強入りできればさらに500億円の経済効果がプラスされていたという。日本チームの善戦で日本チームが帰国した直後の関西空港には4000人のファンが迎えたというから驚きだ。

まるで日本が準決勝にまですすんだような歓迎ぶりだった。たしかに私を含めて日本が予選リーグを突破できると予想した日本人はほとんどいなかっただろう。岡田監督は「ベスト4をめざす」と記者会見ではいったものの、その言葉を額面どおり受けとった人間はあまりいない。

選手のなかには本田選手のように「ベスト4ではなく、自分個人としては優勝をめざす」とビッグマウス発言をした人間もいたが、日本サッカー協会幹部すら予選リーグ突破は無理と考えていたようだ。しかし格上のカメルーンに勝ってから日本チーム内部も変わったし、ファンたちも変わった。

私も普段はサッカーなどはほとんど見ないのだが、深夜にもかかわらず、オランダ戦、デンマーク戦、パラグアイ戦を最後までみて翌朝は睡眠不足になった。私は2002年の日韓共同開催のワールドカップを現地(韓国)でみていたが、それ以来である。カメルーン戦後、日本チームはひょっとしてやれるのではないかといった期待感が生まれてきた。

たしかに経済情勢の悪化などがあり、いま明るい話題は今の日本にはない。自ずから日本国民は明るい話題を求めてワールドカップでの日本の活躍に注目したのだろう。参院選挙での民主党のスローガンは「元気な日本を取り戻す」で、自民党は「いちばん」だ。なんとかして低迷する日本経済や社会を元気にさせるというのが各党のキャッチフレーズである。

7月11日の選挙まであと一週間。現在野党の自民党が復活するとは考えられないし、民主党が参院で過半数を確保したとしても、日本社会がすっきるするわけでもなさそうだ。こうなれば、スポーツイベントで日本が世界一になるとかのショック療法が待たれる。
1998年、IMF危機に苦しむ韓国で女子ゴルファーのパクセリが全米女子ゴルフツアーの二大メジャー大会で優勝、韓国民に「ハミョン・テンダ」(やればできる)という自信を与えた。日本の男子ゴルファーが全米か全英ツアーで優勝したりすれば、日本国民はワールドカップのときのように沸くかもしれない。

太刀川正樹‐日刊現代記者‐亜洲経済編集委員 mike@tkk.att.ne.jp


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