2026. 07. 11 (土)

[正石満のプリズム] 100年の製薬産業が直面する岐路、規制は「名薬」ではない

AIを活用して制作した画像 チャットGPT
AIを活用して制作した画像 [チャットGPT]

国内の製薬産業が重大な岐路に立たされている。政府は健康保険財政の持続可能性を理由に、来月8月からジェネリック(複製薬)を中心とした薬価引き下げ制度を施行する予定である。同一成分の医薬品の価格調整により薬価を引き下げ、健康保険財政を削減することが政策の核心である。

健康保険財政の管理と国民の医療費負担の軽減は、政府が必ず取り組むべき責務である。しかし、政策は意図だけでは評価されない。国民の健康と産業競争力を考慮した結果が重要である。薬価を繰り返し引き下げる政策が国内製薬会社の研究開発基盤を揺るがし、新薬開発の意欲を弱めるなら、短期的な財政削減効果よりもはるかに大きな社会的コストを負う可能性が高い。

我が国には100年近い歴史を持つ製薬会社が少なくない。韓国戦争以降、国民に必須医薬品を供給し成長してきたこれらの企業は、今やバイオ医薬品や革新新薬を開発するグローバル企業への飛躍を試みている。国産新薬の海外技術輸出が相次ぐなど、国内製薬産業は新たな転換点を迎えている。

しかし、新薬開発は代表的な高リスク・長期投資産業である。新薬を一つ開発するには通常10年以上の時間と数兆ウォンに及ぶ資金が投入される。数多くの候補物質が臨床試験の過程で失敗し、最終的な承認に至る成功確率は極めて低い。それにもかかわらず、企業が研究開発を止めない理由は、成功した新薬が売上を牽引するだけでなく、国民の命を救い、国家経済の新たな成長の原動力となるからである。

このように失敗を前提とする産業においては、政府の政策が企業が再び挑戦できる環境を整える必要がある。しかし、薬価が持続的に引き下げられる構造では、研究開発に再投資する資金が減少せざるを得ない。政府は今回の薬価改編で研究開発比率が高い革新型・準革新型製薬企業には薬価優遇の特典を与えると述べているが、直ちに売上が悪化すれば、中堅・中小製薬会社は最初に研究開発予算を削減する可能性が高い。研究開発はコストではなく未来への投資である。投資が萎縮すれば、結局新薬開発も止まらざるを得ない。

政府が推進すべきは画一的な薬価引き下げではなく、革新を促進する薬価政策である。革新新薬にはその価値に見合った報酬を提供し、臨床試験の支援や研究開発の税制拡大、人工知能(AI)を基盤とした新薬開発インフラの構築、データ活用の拡大、承認手続きの改善などを同時に進める必要がある。健康保険財政の効率性と製薬産業の競争力は、相反する価値ではなく、共に追求すべき国家的課題である。

何より政策には一貫性が必要である。健康保険財政の負担を理由に薬価制度の改編を実施しようとしている中で、他方では限られた健康保険財政を脱毛治療に使うとする状況は皮肉である。国会予算政策処は、脱毛治療に健康保険を適用した場合、自己負担率などに応じて健康保険財政から年間最大1600億ウォンの追加支出が発生する可能性があると分析している。

政府は製薬会社を単に薬価を引き下げる対象として見るべきではない。国民の健康の最前線には製薬会社がいる。感染症が発生した時も、希少疾患患者が最後の希望を見出す時も、最終的な答えは新しい治療薬と革新新薬である。新薬開発は企業だけのための投資ではなく、国民の命と国家の未来のための投資である。失敗を恐れず、果敢に研究開発に挑戦できる環境を整えることこそが、国民の健康を守る最も確実な投資である。100年の歴史を持つ国内製薬会社が次の100年には世界市場をリードする革新企業に成長できるよう、政府の政策も規制中心から革新中心へと転換すべき時である。



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