三菱電機、送電ロス半減するスマートグリッド技術を開発

三菱電機は電力を送る配電網で発生する損失を50%低減するスマートグリッド技術を開発した。電線1本ずつの状態を高速解析し、配電機器を瞬時に制御して無駄な電力消費を減らす。住宅用太陽光発電システムの普及によって配電網の損失も増大すると見込まれている。同社は太陽光発電の大量導入による損失発生を抑制する技術として電力会社に提案する。

配電網は一般的に電線3本(三相)の電圧を均一に保ちながら電力を送る。三菱電機は3本の電線それぞれの電圧を解析する技術を開発した。電線1本ずつに流れる電力の状態を詳細につかみ、1本ずつの電圧を適正な状態に制御する。従来は3本の平均値を解析して電圧調整するため、多めに電力を送ってしまい損失が発生しやすかった。

3本個別の解析でコンピューターの計算量は増大するが、100倍以上の高速処理ができる計算ソフトで対応する。3本同時の計算時間は従来の60ミリ秒から0・42ミリ秒に短縮。解析結果を基に電圧調整に必要な配電機器を素早く動かす。機器を単独制御する従来方式に対し、集中制御により機器の運転の無駄を省く。

(亜洲経済オンライン)
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