[写真・執筆=ガン・ジュニョン韓国外国語大学教授（中国学）]
ここで、寧辺の核施設の廃棄が北朝鮮の非核化の意味のある措置として、米国の一部の制裁緩和と十分な交換価値があると期待し、対北朝鮮経済協力に拍車をしようとした韓国政府は困っている。対北朝鮮の影響力の回復を通じて「チャイナパッシング」の懸念払拭とともに、韓半島の核問題に本格的な参加を強調しながら、第2回米朝首脳会談に入れ知恵をした中国も悩みに陥った。景気の下落傾向が明らかな状況で、米中貿易戦争という二重苦を経験する中で、米国の大衆の要求も少なくない状況だ。米国はあいまいな中国の北朝鮮に対する態度が北朝鮮の非核化の進捗を阻害しているとし、中国のより明確かつ積極的な役割を注文し続けているからだ。
このような状況は、北朝鮮の核問題の当事者にも関わらず調整者やまとめ役の役割を自任している韓国に、果たして何が重要なのかをはっきりしなければならないというメッセージを送信することでもある。
まず、私たち自らが「非核化」の概念に対する認識を新たにする必要がある。今回の会談の失敗に対して、北朝鮮が核放棄を念頭に置いて交渉に臨まなかったので、結局「真実の瞬間」を迎えたという見方と、トランプの精巧ではない対北政策が状況を悪化させたという見方が交差する。しかし、米国と北朝鮮との間の隙間があまりにも大きい。米国は既存の核兵器はもちろん、核施設と核物質の完全かつ検証可能な廃棄が完全非核化であると主張する。北朝鮮は寧辺の核廃棄こそ確実な非核化措置の始まりであり、段階的な非核化の中核であることを強調しながら、米国に相応する同時的措置を要求している。一括妥結を強調する米国と段階的解決を主張する北朝鮮の立場がはっきりと対比される。この点で韓国政府は、私たちが求めている非核化の概念が何なのかを明らかに国民と共有しなければならない。米朝間の考えが異なるため、非核化の最終的な目標と原則が正確に立たなければ核保有国の北朝鮮と平和体制の構築を試みる「核あり平和（nuclear peace）」の落とし穴にはまる可能性があるからだ。
第二に、北朝鮮の核問題の仲裁者や促進者という曖昧な立場ではなく、より積極的な姿を見せなければならない。韓国政府が金正恩委員長の「完全な非核化」の意志を米国に伝達し、朝米交渉の扉を開いたのは明らかだが、残念ながらその結果だけを待っていたのも事実だ。影響力のある仲裁者になるためには仲裁案がなければならない。交渉の結果に基づき受動的に南北協力を通じて非核化の動力を維持するという考えは危険である。南北疎通は明らかに重要だが、北朝鮮の肩を持つ印象を与える必要もない。北朝鮮にも明らかな非核化措置を要求することで米国を説得することができる。米国にも具体的な仲裁案を提示することができなければならない。当然、北朝鮮との交流は「完全な非核化」が前提だ。前提の解決なしに次のステップに進むことは不必要な誤解を招く可能性があることも留意しなければならない。
第三に、中国とのコミュニケーションも重要である。北朝鮮はすでに中国の交渉に引き込んだ。米国は中国を牽制しつつ、不完全な非核化交渉を通じた終戦宣言や平和体制構築は、駐韓米軍撤収やサード問題再点火など中国に有利な状況になるかもしれないと懸念している。ところが、私たちの大衆外交は行方不明になった。コミュニケーションは、必ず協力を求める場合だけ必要なものではない。意志と原則を明らかにすることも重要なコミュニケーションである。中国対北朝鮮影響力と経済の関係が重要であるとして、70％が中国発が確実な微細粉塵の深刻な問題にも一切対応できす、定期的に私たちの防空識別区域（KADIZ）を侵犯する中国の戦闘機にも形式的な抗議を続くのは、自ら国の品格（国格）を落とすことである。難し状況を避けるだけだと最終的に相手に口実を与えることになる。
韓半島問題は南北問題の次元を越えて米中が介入しており、日本とロシアなどが注目する複合的な問題だ。主導的な方向をとるための新しい戦略を考えなければならない絶体絶命の視点である。
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