[イ・ジョンウのコラム] 「人口は国力だ」

[写真・執筆=イ・ジョンウ資本市場評論家(前IBK投資証券リサーチセンター長)]


わが国の合計出産率が2018年0.98人まで減少した。多くの先進国が出産率の低下を経験したが、これほど低い水準まで下がったところはなかった。ちなみに2016年、経済協力開発機構(OECD)に属した他のの国の出産率はどれも1.3を超えた。

1年前、韓国では子供が32万6900人が生まれた。2018年生まれが軍隊に入る20年後には、現在の兵力を維持することは難しいかもしれない。男児の数と服務年限をかけると、30万人には及ばない。深刻な状況だ。

しばらくは少子化問題は欧州でも問題になっていた。1970年前後に出産率が低下しはじめ、南ヨーロッパ 諸国とドイツが1.3を下回る水準まで落ちた。人口置換水準の出産率は2.1となっている。この水準に及ばなかったら、30年後から人口が徐々に減少して高齢化率が上がる。欧州諸国は既に30~40年前にこれを経験した。

幸い欧州は2000年度に入って出産率を改善した。下落が止まり上昇に転じた。北欧とドイツを除いた欧州諸国でこのような傾向が明確になった。フランスは1990年代半ばの出産率が1.7以下だったが、2007年に2.0を回復した。今もその水準を維持している。欧州委員会の統計局が出した資料を見ると、フランスの人口は約半世紀ぶりに1000万人程度が増える。2013年の6600万人から2060年には7600万人に増加するという話だ。

イタリアやスペインも1990年代半ばに出産率が1.2まで下がったが、今は1.5に迫っている。例外的な国がドイツだ。現在8000万人のドイツ人口が、2060年には7100万人に減少するものとみられる。

積極的な政策が出産率を高めることができる。 欧州諸国で保育施設・サービスと子女数による手当支給、子育て世代の税金控除のような出生率を高めるための政策を強化した。これまで私的領域に任せていた出産と養育を、社会全体が責任を負う構造に変えたのだ。

このような転換がどれほど効率的だったかは、出産関連予算と出産率関係を見れば分かる。先進国の中で出産率が1.8を超える国はほとんどが、国内総生産(GDP)で出産・養育関連の支出が大きな割合を占めている。代表的な国がアイルランドと英国、フランスだ。当該割合がすべて4.0%を超える。反面、ドイツやオーストリアのように出産率が低い国は3.0%に及ばない。出産率も1.4を下回る。
乳児予算も出産率を上げる役割をする。フランスのように出産率が高い国は、3歳未満の児童を国から責任を負う比率が50%を超える。デンマークは65%に達するほどだ。これに比べてOECD平均は30%台にとどまっている。先進国では出産と育児の時期に親が一緒に育児休職制度を利用する。雇用を維持したまま所得を保障してもらい、職場に復帰した後も公的保育を利用できる。

子どもを産んで育てる費用が多すぎて出産を忌避するのだ。出産は啓蒙や広報に変えられる問題ではない。国家が子育ての費用の中で相当部分を負担することで、個人が払わなければならない負担を減らさなければならない。韓国政府が児童・青少年1人に使うお金を老人福祉予算と比較すると11%しかならない。人口を増やす対策を地道に打ち出してきたが、成果が出ない理由だ。

人口は国力だ。欧州を見ると、多様な対策があいまって人口を増やした。韓国も可能な限りすべての政策を使わなければならない。もうずいぶん遅い。
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