中韓両国は中韓自由貿易協定(FTA)の年内発効に努め中国上海に韓国ウォンと人民元の取引市場を開設することで合意した。
日中韓首脳会談開催を前に開かれた朴槿恵大統領と李克強中国首相は31日、韓国大統領府である青瓦台で首脳会談を行いこのような内容を骨子にする経済協力方案に合意した。
両国首脳は経済協力方案以外にも北朝鮮核問題の至急性を強調しつつ、韓半島での核兵器開発を容認することができないと強調、6者協議再開のために努力することで意見が一致した。
同時に、9・19共同声明と国連安全保障理事会決議が確実にに移行されなければならないとし、緊張を高める北朝鮮のどのような行動にも反対することでも意見が一致した。
朴大統領と李首相の出会いは今回で5回目であり、最近では9月2日に朴大統領が抗日戦勝記念式典出席のため訪中し李首相と会談した。李首相は2013年3月の就任後初めて韓国を訪問した。
両国首脳はこの日の会談で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の加速化と早期の妥結など域内経済統合のために主導的な役割を果たすことで合意した。また中国債券市場で韓国政府が人民元建てで債券を発行することでも合意した。
両国は人民元適格海外機関投資者(RQFII)の投資限度を800億元から1200億元に拡大し、韓国の銀行が山東省所在の企業に対し人民元で貸し出しができるよう金融協力も強める。
韓国産の米やサムゲタンなどに対する検疫検査基準の設定などで対中国輸出が可能にありそうだ。中国は韓国産の米を6年ぶりに、サムゲタンは9年ぶりに輸入することになる。これにより韓国産の米が中国の米市場(12億ドル)に進出することになる。また、韓中漁業共同委員会で採択した不法漁業防止に関する共同合意文書も履行する。
朴大統領と李首相は会談後、「両国間革新協力強化」、「第3国市場の韓中共同進出」, 「通関及び非関税障壁緩和による貿易拡大」 など17件の業務協約と1件の合意文(金融協力)に署名した。
両国の製造業では韓国の製造革新3.0戦略と中国の製造2025との連携を図り、ロボット分野での協力で27億ドル規模の中国ロボット市場進出が可能になる。また、韓国の技術やデザインと中国の資本力を組み合わせ第3国市場に共同で進出できるよう協力モデルを開発するための「中韓協力基金」の設置も進める。
韓国政府のユーラシアイニシアチブ構想と中国の一帯一路(海上陸上シルクロード)構想の連携を強め、今後アジアインフラ投資銀行(AIIB)を活用した韓国企業の海外進出を促進する。アジア、ラテンアメリカなど第3国のインフラやプラント市場で両国企業間のコンソシアム入札や共同投資など新しい協力モデルを開発し、両国の金融機構とAIIBなど多者間開発金融機構で両国企業の協力を支援していく。
中国の国宝動物パンダは世界自然保護連盟(IUCN)やワシントン条約(CITES)で絶滅のおそれがある野生動植物に指定されている。パンダを国内に導入するサムスン物産は2016年にも一般に公開する予定。また、両国政府は黄砂及びPM2.5(微小粒子状物質)に共同で対処するため大気質測定資料を専用回線を利用し共有する。
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