[キム・ヨンユンのコラム] 状況脱出の決断が必要だ

[写真・執筆=(社)南北物流フォーラムのキム·ヨンユン代表]


北朝鮮が今月2日、超大型放射砲2発を発射したことについて、青瓦台(大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長が強い憂慮とともに中断を促した。"韓半島の軍事的緊張緩和の努力に役立たない"ということだ。正しいと思う。しかし、今のような南北関係で北朝鮮は、どう受け入れたのだろうか。案の定。北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会の金与正(キム・ヨジョン)第1副部長は、朝鮮中央通信の談話を通じて鄭義溶室長の言葉を激しく非難した。一言でいうと、生意気な態であるということだ。北朝鮮は今回の発射が国を防衛する軍隊の訓練であり、自衛的行動であると主張した。そして、かえって反問する。韓国の合同軍事訓練を挙げ"韓半島の緊張緩和の努力に役立たないため、中止することを要求したら、どう答えるか聞きたい"と。韓国の先端軍事装備の導入も強く非難した。それは "北朝鮮を攻撃する目的のためであり、農薬をまこうとしたものではないじゃないか"という話だ。北朝鮮をかばうつもりはない。ただ、南北関係がこのように続くと、もはや関係改善の可能性を見いだせないような気がする。もしかしたら、文在寅 (ムン・ジェイン)政府では南北関係のなんの希望もないような気がする。

統一部が3日に出した2020年の業務推進計画をみてもそうだ。南北関係改善の相手である北朝鮮が、果たして韓国の提案を受け入れるだろうか。提示された内容のほとんどが、我々の思う通りに行われることを前提にしているようだ。しかし、行動をするには非常に消極的だ。南北関係が改善がされれば推進するということだ。いや、その改善を誰がしなければならないのか?統一部が計画実現のためにどのようにするという政策的意志はどこにもない。統一部さえ、南北 - 米朝関係の小康局面の長期化を懸念しているだけだ。

2020年に推進するという事業は、非武装地帯の国際平和地帯化をはじめ、北朝鮮の個別観光推進、北朝鮮との交流協力の多角化など様々だ。交流協力の多角化には、鉄道・道路など経済協力事業のための協議開始とともにスポーツ交流など南北共同行事が含まれている。それだけではない。開城(ケソン)満月台の共同発掘と泰封国鉄原城をはじめ、李舜臣将軍の鹿屯島戦闘遺跡を発掘共同調査なども入っている。果たして今年中にできるだろうか?今のように先が見えない状況では考えられないことだ。

肝心な対北朝鮮関係の改善の方策が見えない。韓国を徹底的に無視している北朝鮮を、どのように2017〜2018年の状態に戻すことができるのか、そのために必要な国際的環境をどのように造成するのかについては何の言及もない。それより統一部は、2020年に変わる国民の暮らしを話している。今年は"平和を享受して拡散する非武装地帯"を作り、"韓国の国民が北朝鮮の訪問をはじめとする南北交流に参加できる暮らし"を可能にするということだ。北朝鮮に対する具体的な対策は一切ない。

このままだと、北朝鮮が機嫌が変わる日だけを待つしかない。ひたすら米朝関係が自然に解決する日だけを待つしかない。そんな日が今のこの政権で果たしてやってくるだろうか。強い疑問を抱かざるを得ない。そうでなければ、南北共同4・27板門店首脳会談2周年も、6・15宣言20周年も、光復75周年も流されるだけだ。韓国政府は何よりも今の南北関係からきちんと戻すために、何をするべきかについて徹底に悩まなければならない。

韓国政府は目の前に直面している米国と北朝鮮の間の状況的ジレンマから抜け出す決断をしなければならない。これは南北関係が到達すべき目標を確固にすることから出発する。北朝鮮と目指す目標がどこにあるかについての認識を明確にすることで南北関係改善の方法を見出すことができる。しかし、目標認識の不明確さが次のようにところどころ見つけることができる。第一、対北朝鮮制裁には米国と常に協力し、南北協力もするということだ。しかし、これを推進できる適当な方法は持っていない。第二に、韓半島の平和を定着させようとしながらも、膨大な費用がかかる戦略資産を大規模に購入している。矛盾した行動としかいえない。第三に、北朝鮮が強く拒否している韓米合同訓練の参加には消極的であるとはいえ、米国の決定にはそっぽを向かない。第四に、米朝対話を成功させるための仲裁者になりたいが、これといった役割は果たせていない。第五に、文在寅 大統領は北朝鮮の非核化の意志を確信していると何度も言及したが、北朝鮮の非核化を実践できるようにする代案と通路を提示できずにいる。第六に、対北朝鮮制裁の下でも可能な南北協力があるとしながらも、北朝鮮が応じる措置をとるのに消極的である。このような矛盾した状況が続くと、それこそ無気力になる。無気力にならないためには、状況脱出の決断と、そのための勇気が必要だ。
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