インドのスタートアップに押し寄せる中国のベンチョキャピタル

  • 昨年第4四半期、中国VCのインド投資が14億ドルに達し

  • 中国市場への投資を減らし、成長潜在力の高いインドに押し寄せ

[写真=ロイター]


昨年、中国の「大物」がインドに向かったことが分かった。インドのスタートアップへの中国系ベンチョキャピタル(VC)投資規模が過去最高水準を記録したとフィナンシャル・タイムズ(FT)が18日報じた。

グローバル金融情報提供会社のリフィニティブ(Refinitiv)によると、昨年第4四半期のインドスタートアップに対する中国のVC投資規模は14億ドル(約1兆6650億ウォン)に達したことが分かった。昨年、VCの取引件数は計54件で、2013年の3件と2017年の27件に比べてそれぞれ18倍、2倍に増加した。

中国がインドのスタートアップを成長させる心強い資本源になったわけだ。実際、インドのユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上の非上場スタートアップ)の3分の2が中国のVC投資を受けたという。

特に、スタートアップ投資を拡大し、VC投資家に変身した中国IT恐竜の投資を受けてユニコーンに成長した企業が多い。代表的には中国IT恐竜のアリババが投資したインドの決済ソリューション企業のペイティーエム(Paytm)と、飲食配達プラットフォームのゾマト(Zomato)、テンセントの投資を受けたインドのウーバーといえるオラ(OLA)、教育用アプリのバイジュース(Byju's)が挙げられる。

シャオミの子会社、順為資本(Shunwei Capital)と香港のVC晨兴资本(Mornings Venture Capital)投資を受けたスタートアップもある。自転車・タクシー共有アプリのラピッド(Rapido)とソーシャルメディアサービスのシェアチャット(ShareChat)だ。

面白い点は、中国VCの総投資額は減少しているという点だ。市場調査会社プレキン(Preqin)によると、2018年に170社に達した中国のVCは、昨年61社に急減し、ファンディング規模も256億ドルから126億ドルに半減した。これは、2013年以来低水準だ。中国の経済成長鈍化への懸念と、スタートアップの相次ぐ失敗が続き、VC業界が大きく萎縮したのだ。

このような中でもインドのスタートアップへの投資が増えたのは、インド市場の成長の可能性が大きいからだ。スタートアップ情報サイト、Traxcnの代表は「すでに成長を終えた中国より、成長の可能性が高いインド市場が中国VCの投資を導いている」と分析した。

巨大市場とともに特別な市場の規制がないのもインドの長所である。インドと中国は長い期間、地政学的ライバルだった。インドが中国の一対一路(陸・海上シルクロード)事業への参加を拒否してきた理由だ。それにもかかわらず、シャオミなど多数の中国企業はインドで急速に成長した。これといった規制がなかったおかげだ。

ただ、インドへの中国の投資を憂慮する声もある。インドの有力シンクタンク、「ゲートウェイ・ハウス(Gateway House)」のAmit Bhandari研究院は、「中国VCの投資は、インドのスタートアップが急速に成長できる資本を提供してくれるが、米国が懸念しているように、インド企業のデータが中国に流出する可能性がある」と指摘した。
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