ウォール街に広がる貿易戦争の恐怖・・・「リーマン危機の前と似ている」

  • 野村証券「ヘッジファンドなど投資家が市場離れている」

  • ゴールドマン・サックス「2020年まで貿易交渉の膠着状態」

[写真=聯合ニュース]


米国の金融街で貿易戦争の恐怖が広がっている。グローバル金融会社らは、米中貿易の葛藤が少なくとも2020年まで続くとの見通しを続々と出している。一部では、グローバル経済成長に対する不安が加重される場合、2008年9月のリーマン・ブラザーズ破産事態の当時と似たような急落が始まるという分析も出た。

野村証券の高田将成マクロ戦略家は6日(現地時間)、「投資家らは6日の株式市場の反発に安堵してはならないだろう」と指摘した。また、今後再び発生する大量売りはリーマン・ブラザーズ危機の時のような衝撃を市場にもたらす可能性があると警告したと、海外メディアは報道した。

CNBCは「このような見方は、約10%の調整を期待するウォール街のほとんどの見方よりはるかに悲観的なものだ」とし「野村の分析は、すでにヘッジファンドが市場を離れているだけでなく、変動性が大きくなってアルゴリズムが警告信号を送る場合、市場から逃げる準備をしている人が遥かに多いことを示す独自のデータに基づいている」と伝えた。

米国と中国の貿易戦争が為替戦争に飛び火し、去る5日、米国の株式市場は大きく揺れた。この日の恐怖指数は2019年に入って最高値に高くなったりもした。しかし、中国政府が人民元の安定のための措置を取りながら、市場は再び一息つくようになった。しかし、目の前の反発だけでなく、全般的な市場の流れを見なければならないというのが高田氏の指摘だ。

彼は6日に発表した市場分析で、「今の状況ではリーマン・ブラザーズショックのように起こる可能性は低いが、もし起こったら莫大な被害が予想される事態が発生する可能性自体を無視することは間違いであるかもしれない」と指摘した。続けて「今米国株式市場の雰囲気は、世界金融危機の前哨戦となった2008年のリーマン・ブラザーズの崩壊前と非常に似ている」と指摘した。

野村は、8月末には市場の急落が来ると見通した。高田氏は「間もなく急落の時期が来て、以前のような一時的な上昇は資産を売ることができる最も良い機会になるだろう」とし、「8月末か9月初めに第二の急落が始まり、今度はその前の急落よりもはるかに影響が大きいだろう」と指摘した。

野村のデータによると、ヘッジファンドをはじめとする市場の主要参加者が市場から足を抜いているだけでなく、「下落」にベッティングする人々が増えた。このような傾向は、去る2007年と2008年に現れた様相と似ているというのが野村の指摘だ。

高田氏が根拠としたデータは、5日の株式市場の急落を予測し、一部のオプショントレーダーたちも変動性の拡大にベッティングした。このような見通しは、米連邦準備制度(Fed・FRB)が攻撃的な通貨緩和政策を発表しなかったうえに、米中貿易の摩擦が深刻化しながら現実化した。

ラリー・サマーズ元米国財務省長官も6日、米国と中国の間の葛藤が金融危機以降、最も危険な金融市場の状況をもたらす可能性があると指摘したと、CNBCは伝えた。

野村ほど悲観的ではないが、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)、ゴールドマン・サックス、UBS所属のエコノミストらは、米国株式市場が今年の夏と秋の間に、今よりもはるかに高い変動性を示すものと予想しているとウォールストリートジャーナル(WSJ)は6日、伝えた。


米国の株式市場は昨年末から今年7月まで20%以上上昇した。米国と中国の間の貿易紛争が出口を見いだすことができるという期待と、FRBが通貨緩和政策に転じるとの見通しが市場の上昇に影響を及ぼした。

しかし、米中貿易の摩擦が長期化し、企業の増加傾向も鈍化しながら株式市場を眺める懐疑的な視線がますます多くなっているのだ。ゴールドマン・サックスは最近、S&P 500指数の上場企業の純利益増加の見通しを6%から3%に下方修正した。また、年末のS&P500指数の予測値は3,100を提示した。

BAMLは年末S&P500指数の目標値を2,900に決め、残りの期間、株式市場の変動性はさらに大きくなる可能性が高いと診断した。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメントとゴールドマン・サックスは、米国と中国の貿易の緊張が2020年まで延長される可能性があると予測し、企業がこれを耐えなければならなぢと指摘した。


ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ヤン・ハッツィウス(Jan Hatzius)氏は、5日の報告書を通じて「トランプ大統領の対中追加関税発言以後に出たニュースは、米中いずれも強硬路線を選んだということを示している」とし、「2020年の大統領選挙が終わる前に貿易交渉でこれ以上進展はないとみられる」と見込んだ。

ゴールドマンは最近、中国政府の動きはトランプ大統領との交渉で重要な譲歩や決定はしないという意志を見せたのだと指摘した。ひとまず中国は2020年までは現在のような膠着状態を維持しつつ、大統領選挙以後、政府と本格的な交渉に乗り出そうとしているという意味だ。

 
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